mixiユーザー(id:2027350)

2020年07月02日15:59

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アメリカ占領下の日本映画検閲

6月中は日本映画史の本読んでいた。
「漫画の手帖」のエッセイで、ここ3回ほどプロパガンダ映画について話している。
今回はGHQによる邦画の規制について書く予定だが、間違ったこと書きたくないから勉強し直している。

読んでるのは映画アーカイブに興味ある者なら誰もが所持している「日本映画発達史」(田中純一郎・著)全5巻。その3巻目に1940〜50年の邦画界の混乱期が描かれている。特にGHQの邦画規制については「天皇と接吻―アメリカ占領下の日本映画検閲」(平野共余子・著)に詳しく書かれている。
が・・・あまりにも読むのに時間がかかりすぎる。
故・中島梓センセからは、「中田さんて、速読できないの?」とか「そんなに描くのが遅いんじゃどうしようもない」といろいろお叱りを受けたが、還暦過ぎてからどんどん頭に入らなくなる。
しかも本に紹介されている作品は未見が多く、もしくはフィルムセンターで一度見たきりの作品なのでタイトルだけ紹介されていても中身が思い出せない。

とにかく敗戦後にマッカーサーのGHQがやって来て、戦時中に作られた戦意高揚ものや仇討ちもののフィルムやネガを多摩川べりの飛行場で山と積んで燃やしてしまったのだ。
ナチスの焚書は有名だが、実はGHQもやったのだ。それも焚映を。
戦時中の憲兵でも、ハサミは入れてもフィルムを燃やしはしなかった。

戦意高揚作品を燃やし、GHQは多くの作品を戦利品として搾取した。特に記録映画はほとんどアメリカに持ち去られ、いまだ一本も返還してもらっていない。それは従軍カメラマンが命がけで撮った記録で、日本が統治したアジア各国の様子も撮られていたはずなのだが・・・

楽天的な映画人は、戦時中の規制が解除されて、これからは何でも好きなものが撮れると思ったが大間違いだった。戦争を肯定してはいけないとか、原爆投下を非難してはいけないとか、アメリカ、ソ連、中国、朝鮮を悪く書いてはいけないとか等々・・・別の規制に変更されただけで、もちろん罰則付きだった。

面白いことにGHQはキス映画を作ることを推奨したww 
これは受けたね!GHQ様様だと感じた日本人も多いだろう。
(このあと、アメリカの物質文明に洗脳され、日本は高度成長期に入っていくのだが、それはまた次の機会に)

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