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2020年06月18日14:45

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「詩人藤田文江『夜の聲』(1933)論 最終回

やっと書き終えたという感じがある。なぜこんなに時間がかかったのかふがいない思いもあるが、おそらく調べながら書いていたからだと今は思う。詩集は一冊手元に残った。これまで再刊も2回行われた。また身近な方で評伝を書かれた方もいらっしゃって、私も十分読み込めていない段階で2度ほど地方の近代文学館で講演のようなことをやらせていただいた。

こういった経験を経て私自身少しずつ本気になっていったのだと思う。最初は作品論が書ければいいかなくらいの軽い気持ちだった。墓参にも2度ほど行った。最近そのときの写真を見る機会があって、そこに写っていたのは私だけではなく、評伝を書き私を講演に呼んでいただいた方と一緒の写真だった。こうやって導いてもらって初めて私の調べていく道も開けてきたのだし、また気持ちも定まってきたのだと思った。そして同人誌『追伸』との出会いがあった。ここに掲載させいただける機会をいただいた。ここに書く前に原稿はほぼできていたのだが、掲載する過程でかなり書き換えたし、加筆することになった。おかげでこれまで書き切れなかったところが見えてきたし、視角を得ることもできたと思う。

さらに藤田文江の妹さんにもインタビューができて、今回の最終回に掲載されている。書き加えておかなければいけないのは、地方にある文学館にご協力いただき藤田文江の初出一覧や年譜も作ることもできた。


最後にこれからのことも書いておきたい。これからはこの詩集の復刊(3回目の)を試みたいと考えている。年譜、初出資料、今回の論考を入れて。日本の現代詩(戦前の)の隙間で見えなかったところを見えるようにする役割を果たしてくれるのではないかと考えている。皆さんにもこんな詩人がいたのかとぜひ知っていただきたと思う。
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