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2020年05月18日18:45

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自分のためだけの覚書154

反対意見を言う人の中で、「自分が考える検察のコントロールの仕方」を提案出来ている人間はほとんどいない。せいぜい「考えてみる機会になる」程度。それぐらいなら誰でも言える。江川紹子のように、「検事総長の任命は国会承認を経る」ぐらいの事は言ってほしい。勿論この意見は、

「国会承認と言うが、国会には衆議院と参議院があるが、どちらの承認を経るようにするのか」

「衆議院の場合は解散総選挙などがあるので、国会議員の構成が短期間で変化する場合があり、変化した結果、過去の国会では承認された検事総長の任命が取り消される可能性はないのか」

「特別に議題として発案するのでない場合は自動承認するとしても、このやり方だと与党の都合のいい人間を検事総長に据えることができるわけで、問題とされた検察改正法案より検察の独立が奪われないか?」

「国会を衆議院ではなく、参議院(解散総選挙がない)で行うとしても、3年ごとの半数改選が参議院にはあるから、3年ごとに変わる危険があるのは変わらない」

などの「理想を語るのはいいが、現実に落とし込むと問題や疑問点が山ほど出て来る」レベルの提案だが、ほとんどの人間の「怖いから反対」よりは良い。

法律の字義だけ見て判断するのではなく、それまでの歴史・経緯も同程度見た意見でないと、バランス良い意見とは言えない。雨後の筍のように出て来た意見があてにならないのは、一瞬の印象に支配され、過去の経緯が残っていないからである。

検察はこれまで「国策捜査」と言われる事を何度もやって来ている。最近なら小沢一郎への捜査。最終的に無罪。

最終的に司法が判断するから、検察が捜査する=有罪にはならない。これで検察が気後れして、捜査しなかったらもっと悪い事になる場合もあるから、遠慮せずやるべきだという意見もある。

だが、検察は責任は取らない。責任とってばっかりだったら逃げ腰になるから、ある程度守られないといけないという理屈も分かる。でも、小沢一郎の時は「虚偽捜査報告書」を検察は作っていたとも言われている。嘘ついて有罪にしようとしたのだ。この一点だけで、検察の信用などかけらも残らない。

この時の東京地検特捜部長・佐久間達哉の処分は戒告のみ。後に2013年7月5日前橋地方検察庁検事正。2014年11月10日、千葉地方検察庁検事正。2016年6月17日、法務総合研究所所長に天下りをしている。嘘ついて他人の人生を滅茶苦茶にしかけておきながら、自分はのんびり生きている。これでは検察が、責任を取らないで良い身分に甘え、好き勝手やり、検察の暴走を抑え、制御する事が出来ない。自浄作用もほとんどない。つまり、腐敗していると言っても過言ではないのではなかろうか。

これらの歴史的経緯を知っていれば、少しでも検察に対して「お前らいい加減にしろよ」と突っ込みを入れる、法的根拠か組織が欲しいと考えるのは当然で、それが強すぎても良くない。だから定年延長ぐらいの影響力に収める事が、何故怖いというのか。検察自体が怖い存在ではないか。

まあ、検察側からすれば、昭和の時代、赤化の危険から日本を守ったのは俺たちだという自負があるのだろう。金丸信の逮捕などもある。

しかし、152でも書いたが、選挙などで政治責任を取ることがない官僚は、自浄作用を個人間の倫理や、不文法である慣習に頼る事になる。倫理や慣習を受け継ぐには、前世代と同様の行動だったり思考形式を行わないといけなくなる。そうすると、時代の流れに取り残される時に問題が起こる。

これに付け加えるなら、絶対権力は絶対に腐敗するという訳で、何らかの循環による自浄作用が不具合を起こすと、その権力は腐敗する。腐敗した物体に存在する微生物は、腐敗したままの方が済みやすい環境なのだから、腐敗と気づかずそのままにしようとする。だから抗議するのだ。

私は、今回の改正案に反対している人間の中で、「国策捜査」の話をしている人間を見たことが無い。聞いたこともない。ミクシィの日記やつぶやきにおいては言わずもがなだ。私が見逃しているだけならば申し訳ない。

チェスタトンは言う。必ず正しい方向を指すステッキがあるならば、問題なのは、ステッキの反対方向は必ず間違っているという事だ、と。

検察を好き放題させてはいけない。だが、検察を牛耳ってもいけない。そのバランスは常に流動的に動いている。だから曖昧な所を残し、柔軟に作用させないといけない。このバランスは、法律の字義と過去の歴史から成り立つ。歴史を考慮に入れずに反対する人間の事を「頭でっかち」というのである。

5月20日追記
江川紹子の「国会の〜」についてさらに疑問が出たので追記

「国会承認というが、議員何人以上、または何%の承認で認められるのか」

「与党、野党どちらでも良いが、戦略として承認をしないぞとかやれば、戦前の軍部大臣現役武官制みたいな問題が発生する可能性は無いか」

■首相、検察庁法改正案の今国会成立を断念 世論反発受け
(朝日新聞デジタル - 05月18日 15:23)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6086268
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