もう動かない。 空っぽのそれ。
ほんの少し前までそれは生きていた。
それだけじゃない。 見渡せばあちらこちらに動くことはないそれらが横たわっている。
少女。 少年。 青年。 老人。 あるいはそのどちらにも当てはまらないもの。
思い出せ。 思い出せ。 思い出せ。
口から溢れる言葉も虚しい。
彼女らはもう動くことはない。
このまま朽ちて影すら残らないだろう。
どうすることもできなかった結果のみだけが有る。
どうして自分はこうなのだろうか。
後悔の言葉も愚につかない。
何の意味もなく、言い訳でしかない。
罪の意識はある。
それどころか常に囚われて、焦らされ続けている。
己のどうしようもない性(さが)。
食い散らかされ捨てられていった『彼女達』に謝ろうにもそれは儚く溶けてそれは消えていく。
残るのはかつて抱いた希望とそこにあったという思い出だけが。
悪癖と罪悪、積み重なって風化していく『彼女達』
それでも止める事は出来ない。
また諦め悪く生まれた『彼女達』を抱き寄せて『これから』を紡ごうと立ち上がる。
今度こそはと語り尽くそうと懺悔の言葉を飲み込み、物語るための言葉を探し始める。
殺戮者は懺悔と希望を背負いながら『彼女達の手』を取りフラフラと歩き出した。
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