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2020年03月28日01:34

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『蝙蝠傘(こうもりがさ)と南瓜(かぼちゃ)』by 劇団銅鑼

フォト

劇団銅鑼公演No.54
作・演出・衣裳:詩森ろば

マイミクで観劇仲間のマリナさんが、
「絶対、mihoさん、好きですよ!」
と、薦めて下さった公演。
そのチラシによると、
江戸時代の終焉〜明治維新を生きた、
日本初の女性写真家といわれる「島 隆(しま りゅう)」と、
画家・写真家・活版印刷の発明家(正に和製レオナルド・ダ・ヴィンチ!)
な夫「島 霞谷(しま かこく)」の物語とか。
おまけに、私の大好きな「お栄」さん(葛飾北斎の娘)も登場すると言う。
マリナさんに多謝感謝しつつ早速チケットを獲った。

が! ここにきて…  コロナ禍…

劇団は苦渋の決断を下した。
今週末の外出自粛依頼!を受けて、
28〜30日の公演は中止。
平日27日を千穐楽とする。

そして、私が獲っていたのがなんと!今日27日!!
このご時世、小劇場で観劇など言語道断なのだろうが、
劇団が万全を期して演ろうというなら
それは行ってあげねば!
会場は東上線「上板橋」。
せめて「3つの密」な池袋駅を通らず、
徒歩圏にある駅まで歩いて東上線に乗り、向かった。

3/27(金) @ 銅鑼アトリエ
14:00〜 130分

初観の劇団。
上板橋駅から10分ほど歩いた劇団の稽古場が
今公演の会場。
チケットは自分でモギり、半券を箱に。
氏名と連絡先を記載し、(使った筆記具は各自持ち帰り)
こんなに接触を避け、入口で消毒されて入場。
客席はマスク着用。



開幕。
現代。 新聞記者「柏木」(馬渕真希)は、
島夫妻の郷里、桐生の島家の土蔵から見つかった資料を取材に訪れ、
郷土史家「山森」(山田昭一)と共に時代を遡る。

元治元年、徳川300年の世が終わる4年前。
島霞谷と隆 夫婦は浅草に居を構え、「真を写す」という「写真家」を目指す。
色々苦労の末、やっと写せた写真!
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「あなたっ!写ってます!」
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この、お互いに撮り合った写真が、タイトルの元ネタ。

夫は写真以外に日本画、洋画、英語、活版印刷など様々な事に興味を持ち、
(「島活字」というのが今も現存している。@「印刷博物館」)
開成学校(東大の前身)の教師でもあり忙しく、
写真はもっぱら隆の担当だった。
そんな夫婦の元に、貧しい庶民や役者たち、画家や武士たち、
ありとあらゆる人々が集まってくる。
そこに、北斎の娘・お榮までもがやってくる…
(英語のカルタなんかも作って皆で興じたらしい。)
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維新前夜、無駄に命を散らした彰義隊にまで話は及ぶ。
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日本初の女流カメラマン、隆の視線で描く、
花のお江戸の最後の日々と明治維新への過渡期を生きる
市井の人々の物語。



正にこれぞ「劇!」と言いたくなる、
オーソドックスな芝居。
ともするとセリフ回しや動作が大仰にも感じるが、
この劇団、全国の中学高校に出張巡演しているという。
なるほど、少年少女が初めて観るちゃんとした「劇」は
こんな芝居が良いのかもしれない、

実在した、当時としてはちょっと変わった夫婦は
お互いを尊重し合っていた。
そして隆は、誰もが夫のようでは無いことに心を痛める。
男女同権の本当の意味や、
性差を超えて
人間同士が認め合い尊重し合うことができる、
学びたい者は学ぶ機会を与えられる、そんな
豊かで成熟した社会はどうしたら求められるのか?
こういう疑問を投げかけてくるところが、
いかにも詩森作品!
本当のイイ夫とは、
妻を幸せにしてくれる男では無く、
妻が幸せになる邪魔をしない男だと再確認した。

ところで、
逢うのを楽しみにしていた「お榮さん」(金子幸枝)は
期待通り、強く賢く、ど真中に軸が1本ドーンと通った
素敵な女性だった。(赤ヤジルシ)
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本当に、詩森さんに、お栄さんを主人公にした
魅力的な物語を描いて頂きたいと思う。

あ、
パイプ椅子で130分は、チト辛かったな〜
芝居後半、もぞもぞ動くことが多くなって、
同行の深月さん、失礼しました。m(__)m
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