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2020年02月05日13:16

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「国力」「抑止力」

今 中国の動きで最もよく見ておかないといけない事は
中国国内の物流の能力です


理由は パンデミック(感染爆発)に代表される緊急事態への対処能力というのは その国の戦争遂行能力と完全に一致しているからです

今回の事態に際して 各国の安全保障関係者や国際金融資本が特に着目しているのは 中国当局が実施している各種の対策です その理由は 緊急事態への対処能力というのは そのまま戦争遂行能力と一致するというのが国家総力戦の実際だからです

中国は感染拡大を封じ込めるため 前代未聞の物量作戦を展開しており 感染拡大の中心地である湖北省武漢市では 1000〜1500床クラスの巨大病院の建設が2カ所で進められています
建設期間はわずか8日という突貫工事で 全国から重機や作業員 医療機器などが投入されていると言われています

 1月末時点ですでに6000人の医療関係者が武漢に入り 追加で4000人の医療チームも編成されたそうです 完全封鎖された武漢市では一部 品不足などが発生したようですが その後は落ち着いているところを見ると 物流網を駆使して全国から物資を集めていると考えるのが合理的なものの見方のはずです

日本では非常時のロジスティクスと聞くと 軍隊など非常時対応を行う専門組織が担うものとイメージする人が多いのですが 自衛隊のレーション(戦時非常食)に コンビニで売っているレトルトカレーが入っているくらいで 緊急事態であればあるほどロジスティクスの中核を担うのは 民間の物流網です

東日本大震災の折
1つの避難所にはポケットティッシュばかり
別の避難所には使い捨てカイロばかり
とかの調子で 必ずしも必要なものを必要な数送れなかった教訓を思い出してみてください

あの時に致命傷になったのは まさにこの部分で
全国各地から寄付された 集められた救援物資を適切に配分できる 
物流の専門家も物流システムも
お上そのものが意味を理解できていなかった事です

日常的に余分なモノも含めて大量の物資がやり取りされている社会であれば 非常時にはその一部を緊急援助物資の輸送に振り替えるだけで莫大な輸送力となります
医療チームの派遣も同じです
日常的に豊富な医療サービスが整っていれば 
非常時には医療関係者のごく一部を危機対応に振り向けるだけで十分な人員を確保できます簡単に言ってしまえば 日常生活が豊かで消費が活発な社会ほど、戦争など非常時への対応能力(ケーパビリティ)が高いわけです

閑話休題:
太平洋戦争末期の大和特攻に際して
大和と随伴艦には 多くの歩兵銃 多くの地上戦用機関銃などの陸戦兵器と共に
ある程度のお金が積まれていました

理由は
大和と随伴艦を敢えて座礁させて 砲台として活用した後には
生存している兵士は陸戦隊として地上戦に参加することになっていまして
その時に 食糧を現地で購入するためでした

日本では太平洋戦争中 国民生活のすべてを犠牲にして戦争を遂行したのですが
圧倒的な経済力(当時の日本のGDPの約10倍)を持つ米国では
戦争中でも日常生活に大きな変化はなく 一般国民はいつものように週末のバーベキューやドライブを楽しんでいたという事実は 動かせません


中国のネット通販は驚異的なペースで拡大しておりまして
物流網も独自の進化を遂げているみたいです
主要都市では米国に匹敵する強固な物流システムが確立しておりまして
物流センターのロボット化も進んでいます
中国国内の輸送能力は以前と比較して飛躍的に向上したと考えらます
(根拠は↓に書いて行きます)

中国の現時点での航空輸送力(人員の輸送キロ)は 8378億人キロとなっており
日本(1933億キロ)の4倍以上あり
突出した航空輸送能力を誇る米国に徐々に近づきつつあります
国土が広いので当然といえば当然なのですが
道路延長は日本の13倍 乗用車の保有台数はすでに日本の2倍を突破しています
鉄道による貨物輸送量は216億トンキロの日本に対して 
90倍の1兆9200億トンキロとなっておりまして 
これも米国の水準に近いレベルです
商船の総トン数も日本の2倍なので船による輸送力も拡大しています

中国はこれらのリソースを投入して何としてウイルスの拡大を食い止めようとするだろうし

仮にそれが無理であったとしても
これだけの物量を投入できるということを意図的に諸外国に示そうとしているはずです

中国について
「一党独裁の国なのでこうした対応が実現できるだけ」
と考えるのは 確かに
「耳障りの良い情報」なのですが
これは一面的な見方に過ぎません

今回 中国がウイルス対策に物量作戦を展開できているのは 
消費の拡大によって生活インフラが強化されてきたという部分が大きく
これはとりもなおさず中国の戦争遂行能力が飛躍的に向上したことの裏返しでもあります
(国民生活を犠牲にし、軍隊だけにリソースを投入しなければならない北朝鮮やロシアは圧倒的に不利になるわけです)

今回 仮に中国がウイルスの封じ込めに成功した場合
少なくとも安全保障関係者や国際金融資本における中国に対する見方は大きく変わり
中国がかねてから望んでいるように「戦争をしてはいけない国」と見なされるようになるかもしれません

「国力」「抑止力」と言うのは
戦車の台数や戦闘機の機数ではなく
本質的には この部分で決まります

日本は 中国が情報を隠蔽している可能性や各種対応の杜撰さなどを批判して溜飲を下げている場合ではなく
中国が今回の事態に対してどれだけのケーパビリティを発揮できているのか 感情に流されずしっかり見極める必要があるわけです





■中国の感染者、推計10万人=潜伏期にも感染か―北大
(時事通信社 - 02月04日 20:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5961220
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