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2020年01月15日07:30

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携帯ボトルのおみやげ

昨年10月25日に「抗がん剤治療開始」の記事を書いたが、そこから数えて先日(1月10日)が6回目の通院日だった。抗がん剤治療というのはこんなことをやるんです、などという話をぐだぐだ書くのもどんなものかと思うが、いや、その前に“がん”というのはある種特別な病なのでまわりのひとたちに病名を伝えなければならないものかどうか、というのも考えたのだったが、いずれ入院のために歌会そのほかをお休みすることになるだろうと思って、記事にしたのだった。

で、抗がん剤治療というのもいろんなやり方があるのだろうが、僕の場合はこんな感じである。当日、10時頃に病院へ行って、まず尿と血液の検査をする。1時間ほど待っているとその検査結果のデータが院内のネットで担当医師のパソコンに届く。医師はそのデータを見て、抗がん剤が効いているようだとか、赤血球のなんたらの数値が下がっているので薬を出しましょうとか、今日は白血球のなんたらの数値が基準より低いので抗がん剤治療は1回お休みにしましょうとか(実際に12月に1度そういうことがあった)言う。

その後化学療法の病棟に移って3時間半ほど点滴を受ける。順調に事が運んだとして終了するのは3時すぎ、帰りに調剤薬局に寄って帰宅すると4時をすぎていて、ほぼ1日仕事だ。点滴というのは腕に針を刺して…というのが普通なのだろうが、僕の場合はあらかじめ右肩の近くにCVポートなるもの(ペースメーカーよりひとまわり小さいぐらいの機器)を埋め込んだので、そこに針を刺して点滴を行なう。腕に針がうまく刺さらなくて何回も刺し直すとかいうことにはならずにすむのが利点なのだろう。点滴中も腕を自由に動かせるので、本を読んだりテレビを見たり(イヤホン持参である)してすごしている。

もうひとつの利点は、当日のおみやげ(?)に薬剤が入った携帯用のボトルをこのCVポートに繋いでもらって、それを首から提げて帰ることができる、ということらしい。約2日間にわたってゆっくりとそのボトルの薬剤が入ってゆくので、もしこうした装置がない頃だったら2日間入院しておとなしく点滴を受けていなければならないところ、普通に生活しながら点滴が継続できる、というわけである。薬剤が終ったらセルフでボトルを外して、次回の通院日にその残骸を持って行く。勝手にゴミとして出してはいけませんということになっている。

抗がん剤治療に入る前、最初に医師の説明があった日は、つれあいも同席していたのだが、医師が「右肩付近にポートというのを入れていただきまして…」と言ったら、つれあいは一応看護師なので、「ああ、ポートですね、知ってます」とか言うたのであった。「経験したことがおありですか?」「いや、ちょっと仕事柄…」とか言ったものだから、この奥さんは同業者ならむと医師は察知したらしく、その後の説明はすべて僕の方ではなくつれあいの方を向いてするのである。車椅子のひとが買物に行くと、店員は当人ではなく介助者に向かってやりとりをするというのはいかがなものか、という話を聞いたことがあるが、その日のわたくしもそんな気分になったのであった。


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