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2019年12月25日22:22

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M.Caillaudレトロプロブレム傑作選(17)

(16)Michel Caillaud(Europe Echecs 283 07/1982)
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可能なキャスリングは最大でいくつか。

 まずはキャスリングは4つとも可能だと仮定して、推論していくことにしよう。なくなった駒は白がQBBSSの5枚で、黒はQBBSの4枚。白側の駒取りはc3とh3で各1枚あり、更にPh5が2枚取っており、これで白の駒取りは尽きている。一方黒はc6で1枚と、Pe3によるものが4枚で、こちらもまた駒取りは尽きている。特に、黒Pe3が駒取りをした枡は全て黒枡という事実は重要である。ここから、白Bf1はc6で取られていることが分かるからだ。
 ここで、c6とe6にある二枚の黒Pに注目しよう。これらのうち、先に動いたのはどちらかだろうか?その答はすぐに分かる。というのは、先にPe6としてからPxc6とすると、Bc8が出られないからだ。つまり、白Bをc6に捨てるまでは黒Bc8もQd8も動けないのだから、白がh3で取った駒は黒Sだったことが判明した。もう1枚の黒Sは白Pがgxh3とする前にg1に入り込んでいなければならないから、白がSh3を取る直前の局面は以下のようなものになる筈だ。

(図1)
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 ここから、gxh3 axb6 Bg2 bxc5 Bc6 dxc6 a3 Qd4 a4 Qc3 dxc3...と進めば次図となる。

(図2)
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 後は白がQとBを黒Pc5に取らせ、白はPf2でf2xBg3-g4-Bxh5と2枚の黒を取れば出題図に到達できそうに見える。ところが実はこの手順、不成立なのだ。何故だろうか?

 もう一度、図1をよく見て貰いたい。どちらもSしか動かしていないが、白Sは2枚合わせて奇数手動いていることが、枡目の色から分かる(Sは1手動く度に枡目の色を変えることを思いだそう)。一方黒は、偶数手だ。ということは、この局面は現在黒番だったのだ!当然、上のようには進めることはできず、結局4つともキャスリング可能かという問いに対する答はNoということになる。3つ迄なら可能なことも、これまでの議論から明らかだろう。

 こういう偶奇性(parity)を用いた局面解析は、レトロの基本的な手法の一つ。常に頭の片隅に置いておきたい。

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(17)Michel Caillaud(Europe Echecs 286 10/1982, 3rd Prize)
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#1(13+11)

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