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2019年12月03日21:09

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「今、お時間ありますか?」

 ぼくは都内にある大学付属小学校の5年生です。野球とドッジボールが好きで、勉強は嫌いです。でも勉強より学校がもっと嫌いです。その理由についてぼくは書きたいと思います。
 始業式が始まった翌日、委員長の選挙がありました。結果は安倍川君が32票、岩場君が6票、ぼくが1票、白紙も1票でした。ぼくに1票を入れてくれたのはぼくを好いてくれる女の子で、白票はぼくでした。安倍川君はお金持ちの家で、庭には立派な桜の木がたくさんあるそうで、毎年、同級生と学校の先生たちを招いて「桜を見る会」というのを開いています。会では高級なお寿司やステーキの屋台があるそうでお土産まで付いているそうですが、ぼくは安倍川君から嫌われているため、招待されません。ぼくの夢は銀座のお寿司屋さんに行くことですから、いつかお金持ちになって行きたいと思います。
 学校の授業は安倍川君が常に中心です。おかしなことに、安倍川君は授業中、ヤジを飛ばすんです。
「そんなことはどうだっていいじゃないですか!」
「先生はいわば共産党じゃないですか」 
 しかし先生は安倍川君に対して「そうですよね」と賛成するのです。ぼくはうちで勉強するのがイヤなので、せめて授業くらいは真面目に聞きたいです。校長先生も担任の先生も安倍川君の家からお金をたくさんもらっている、って言われています。えこひいきはずるいと思います。
 ぼくはお父さんに「学校っておかしいよ。まちがったことばかりなんだよ」と言うのですが、お父さんは「おまえは辛抱が足りない性格だな。世の中は自分中心に動かないものだ。おかしいのはおまえのほうだ。世界の人が素晴らしいという学校に通えるのはいったい誰のおかげだと思ってる?」と怒って、とりあってくれません。
 どこの学校でもこんなのでしょうか?
 …………、と憤っている小学5年生の気分が今の私。

 今日は朝、近くの病院へ。
 明日ふたたび検査を受けることになった。
 帰り、明日は費用がかかるだろうから、ということで銀行に向かった。お金をおろして、裏口から出たら、歩道にあるベンチで「彼女」を見た。
 金曜日は市役所の職員と社会福祉協議会の専門家がタッグを組んで彼女を保護したはずだ。……という想いは砕かれた。
 近寄って「〇〇さん」と呼びかけたら、私の顔を見てニコッとした。
「先週、市役所のひとが来なかった?」と訊いたら、「来た」と応える。
「寒くなるから一時的に暖かい部屋で保護されたらいいのに」と問うと、「保護してくれるひとは他にいるから役所の世話にはなりたくない」と言う。
 2メートルの距離で臭気を感じた。それはとても哀しいことで、保護してくれるひとが現実にいないことを物語っている。
 市役所の担当者と話をしていないので詳細な事情はわからないが、医師による精神鑑定などもおこなう、と言っていたので、彼女の言動や思考は正常で保護対象には至らなかったのだろう。
 落胆して帰宅。
 午後1時半、ソファーに横になって休んでいた。
 そろそろ図書館に本を返却に行こう、とリュックに3冊本を入れたところで、スマホに電話が掛かってきた。
 敬愛する旅行作家からで、「今、妻と一緒に小町通りのぜんざい屋さんにいるんだけど、お体の具合いかがですか? そしてお時間ありますか?」と恐縮されつつのお誘い。
 大丈夫、行きます、と答えて、いつも待ち合わせているエクセルシオールへ。奥様は長谷寺に紅葉を見に行ったそうで、お一人で来られた。
 ぴったり2時間、話をした。
 羨ましい旅行話を聞かせてもらった。
 先月、四国の四万十川へ旅をしたそうだ。予土線の十川駅にあるゲストハウスに泊まって、自転車で四万十川の源流方向へと片道1時間、サイクリングをしたと。
 四万十川は四国の西南で土地鑑などまったくない。にもかかわらず、さびれた町の様子やコンクリート護岸になっている四万十川の風景も目に見えるような気がした。
 午後4時半、奥様がエクセルシオールに到着。
 それから20分ほど3人で話をしてから、駅前で別れた。
 改札口に設置されている「図書館ポスト」に、初めて返却本を放り込んだ。
 本だから重さがある。がたっという音を聞いて、やっぱり窓口で手渡ししたほうが本のためには良さそうだ、と思った。
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