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2019年11月30日09:10

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巨星墜つ・・・中曽根康弘・元内閣総理大臣死去

 偉大な政治家が世を去りました。

 中曽根康弘氏が首相を務めた時代,僕は小学生でした。退任時にはもう中学生になっていましたが,5年もの間首相を務めていた人物がその地位を離れることに覚えた何がしかの寂しさや違和感が記憶に残っています。「首相といえば中曽根氏」という感覚は僕だけのものではないはずです。当時人気だった「キン肉マン」などの漫画にも中曽根氏がしばしば登場していましたから,僕と同年配の人には共通する感慨ではないかなと思います。最近でも雑誌「週刊漫画ゴラク」(日本文芸社)で連載されていた「真!!男塾」の主人公・江田島平八は中曽根氏の友人という設定になっており,漫画好きの方であれば同氏に親しみを覚えるのではないでしょうか。

 中曽根氏が首相に在任していた当時の僕はあまりにも子供で,内政や外交について理解し自分なりの意見を持つことは出来ませんでした。しかし同氏が「アメリカ合衆国と連携を強化しつつ,日本の国は自力で護っていこう」という方針であること,そのためにも「防衛費1%枠」を撤廃したことなど周囲の大人から教えられ「それは全く正しいことで,中曽根氏は正しいことをしようとしている立派な政治家だ」と感じました。また専売公社・電電公社・国鉄の民営化についても,特に国鉄の赤字と職場規律の頽廃が子供の目にも明らかなレベルでしたから,それを推進する中曽根氏は正しいのだと感じていました。昭和61年の衆参同日選挙で自由民主党が圧勝したこともあり,僕は「中曽根氏は正しいのだ。その証拠に大勢の大人が同氏を信任した」と確信をますます強めたのも懐かしい思い出です。
 今となっては「国鉄の赤字や職場規律頽廃は,どこまでが国鉄自身の責任だったのか」「分割・民営化以外にもっと良い改革があったのではないか。特に線路まで各会社の持ち物にしてしまったのは誤りではなかったか」など,細部に関して疑問を感じることも多々ありますが,大きな方向性としては正しい改革だったと思うし,それを実現させた中曽根氏の政治力はやはり深い尊敬に値すると今も思っています。

 その中曽根氏は首相退任後も衆議院議員として活躍を続けていましたが,平成15年の総選挙で当時の小泉純一郎首相から強く迫られて政治家を引退しました。それを「老害を追放した」と喜んでいる向きも有りましたが,既に成人して選挙権を持っていた僕は「中曽根氏のどこが害なのか。高齢だからと一律に老害扱いすることに理は無い」と強く反発したのをよく覚えていますし,今もその意見に変わりはありません。老害というものは確かに存在しますが,それを「高齢者と若者の意見が違う場合,常に若者が正しい」「高齢者は排除されて当然」と解釈するのは無礼極まる誤謬だと僕は考えています。
 但し「引退して急速に心身が衰える」ということは全く無く,その後も中曽根氏はマスメディア等を通じて有益な知見を発表し続けました。「これほど見識豊かな人物であれば,引退を求めたのはやはり誤りだった」と思い,また同氏の健在ぶりを嬉しく感じながら,そうした記事から様々な事柄を学び続けておりました。

 その中曽根氏が11月29日に世を去りました。一つの時代の終わりを強く感じながら,僕は同氏への尊敬の念をますます新たにしているところです。
 長い間,本当にお疲れ様でした。そして有り難うございました。



■中曽根元首相死去、101歳=日米重視、国鉄民営化断行―「戦後政治総決算」掲げ
(時事通信社 - 11月29日 13:02)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5883234
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