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2019年11月21日07:02

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「野村克也の言葉」は生きるヒントの宝庫。八重樫幸雄は懸命にメモした

「野村克也の言葉」は生きるヒントの宝庫。八重樫幸雄は懸命にメモした
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2019年11月21日 06:32 webスポルティーバ

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連載第9回(第8回はこちら>>)

【野村流「成功の条件」は全部で10個】

――さぁ、八重樫さんお代わりのビールも来ました。ぜひ、現役時代の八重樫さんがメモをした「野村ノート」についての続きを聞かせてください!

八重樫 前回も話したけど、野村さんのミーティングでは最初の頃は全然野球の話をしないで、ひたすら人生論、人間論が続いたんだよね。たとえば、「人生における考え方」や、「成功の条件」についてとか。

――前回は「考え方の大敵はしゃべりすぎ、食べすぎ」と伺いました。「成功の条件」とはどのようなものなのですか?

八重樫 (手元のルーズリーフをめくりながら)えーとね……、「成功の条件」は全部で10個。「(1)願望の持続、(2)信念(反復の中で信念が生まれる)、(3)良き理解者に恵まれる、(4)計画性、(5)専門知識の豊富さ、(6)忍耐力、(7)判断力と決断力、(8)潜在意識の判断、(9)頭脳明晰、(10)第六感」と書いてあるね。そして、その次には「代償を求めない成果は存在しない」「生きがいを無視に成功は考えられない」と。

――なるほど、成果を挙げて成功を収めるためには代償は求めるべきだし、生きがいは欠かせないということなんですね。

八重樫 そういうことだね。 野村さんは「人間のタイプ」として7つのパターンに分類しているんだけど、人間にはどんなタイプがあると思う?

――人間のタイプですか? うーんと、権力志向タイプ、金儲けタイプ、無欲タイプ……。うーん、他に何かありますかね?

八重樫 野村さんが言うには「(1)経済型、(2)権力型、(3)理論型、(4)審美型、(5)享楽型、(6)社会型、(7)道徳型」の7タイプ。「理論型」というのは「理屈の筋を通して生きがいを感じる」タイプのことで、「社会型」というのは「人間好きで常に他人を気遣い、一緒に歩こうとする」タイプ、「道徳型」というのは、別名「宗教型」と呼ばれるもので「あらゆるものを犠牲にして世界の調和を祈る」タイプのこと。

――なるほど! ホントに面白すぎますよ、八重樫さん! でも、昼間は練習漬けの日々で、夜は風呂に入って、食事をして、人間論や人生論を聞いて、眠くなることはなかったんですか?

八重樫 中には眠そうにしているヤツもいたけど、僕は初めて聞く話ばかりだったから、むしろ楽しかった。一生懸命メモを取っていたし、全然眠くはならなかったね。

【野村克也が語った「プロ論」】

――まるで、学校の授業のような「野村ミーティング」ですけど、「プロ野球」は決して学校ではないし、職業であり、プロフェッショナルの集団ですよね。野村さんの考える「プロ論」とはどのようなものだったのですか?

八重樫 野村さんは「プロフェッショナル」について、「当たり前のことを当たり前のようにやるのがその道のプロ」と定義した上で、「プロとは限界を超えた世界」であると言っていた。僕がよく覚えているのは、「野球は職業である以上、スポーツという視点からではなく、人間観、社会観という広い視野からとらえなければならない」という言葉だね。

――まさに、その考えこそが「学校」ではなく、「プロ」としての考え方なんですね。だからこそ、「人間とは?」「人生とは?」というところから、野村ミーティングはスタートしたのかもしれないですね。とはいえ、なかなか結果が出ない時、うまくいかない時にはどんなメンタリティでいればいいのか。そのあたりの「野村の言葉」は何かありませんか?

八重樫 うーん、それは「限界論」かな? 野村さんは「限界」について、いくつかの例を挙げて説明しているんだけど、たとえば「限界を超えた世界がプロの世界」「本当のプロは限界から始まる」「限界を感じたときに貪欲さがあるかどうか。この貪欲さが真のプロ意識である」と言っているんだ。

――なるほど。真のプロ意識とは「限界を感じたときにも貪欲であること」なんですね。

八重樫 そう。「プロ意識を持てば、すべての物に貪欲になるはずだ」と言っているし、「限界に打ちのめされたことがない人間に可能性は見えない」「限界を知るから人間は超えようとする」とも言っているから。

――人生や仕事において、壁にぶつかって限界を感じた時に勇気が出てくる教えですね。でも、いざ限界を感じた時にはどうすればいいんですか? 「野村ノート」に、その答えは書いていないんですか?

八重樫 せっかちだなぁ(笑)。その辺りについても、ノムさんはきちんとヒントを用意してくれているよ。「限界を知るから己を知る。己を知るから正しい努力ができる」として、「限界にぶつかったら柔軟性を持て(発想の転換、切り替えの精神、視点の変化)」と具体的な方法を挙げているんだね。

【野村克也と古田敦也、運命の出会い】

――すごいですね。「野村ノート」は万能の人生指南書じゃないですか!

八重樫 限界を感じたときに、よく「開き直れ」って言うでしょ。でも、それも時と場合によるんだよね。ノムさんが言うには「《あきらめの心境》が役に立つときは新しくやり直すときだけ」というのがポイント。何でもかんでも「あきらめの心境」を持てばいいっていうわけじゃないんだよね。

――深い、深すぎますよ、八重樫さん! 今回は「!」ばかり多用している気がします(笑)。「あきらめ」「開き直り」というのは、適切な使い方をしないと、単なるやけっぱちになってしまいますからね。

八重樫 その点もノムさんはきちんと解説しているよ(笑)。「やけくそ……ギブアップの心境、努力放棄と同じ」「開き直り……チャレンジ精神」だと。つまり「やけくそ」はダメだけど、適切な「開き直り」は次への可能性につながるということ。

――その「適切」というのが難しいんですけどね。それにしても、「野村ノート」には生きるヒントが満載ですね。八重樫さんの話を聞いているだけで絶対的な信頼感を覚えます。

八重樫 いやいや、その考え方が甘いんだよ(笑)。ノムさんが言うには「《絶対》、《永遠》、《無限》などは存在しない! 一切が《相対》、《有限》であり、《死滅》するもの。このことを理解しない限り挑戦は始まらない」とキッパリと言っているし、最後に「限りないものはただ一つ、《挑戦》である」って断言しているからね。

――ますますスゴい! ノムさんはまさに「名言メーカー」であり、「格言の達人」ですね。これを毎日、目の前で聞けたのだから当時のヤクルトナインはぜいたくでしたね。

八重樫 本当にそう思いますよ。でも、あの当時に、本当にその価値をわかっていたのがはたしてどれくらいいたのか? 僕にしても、「あぁ、あの時の言葉はこういうことだったのか」って、引退してから気がつくことも多かったからね。

――野村さんが監督に就任したのが1990(平成2)年のこと。そしてこの時、ルーキーとして入団してきたのが後に稀代の名捕手として名を馳せる古田敦也さんでした。ノムさんの就任と同時に古田さんが入団。まさに運命の出会いですね。当時、ベテランだった八重樫さんは「ルーキー・古田」をどのように見ていたんですか?

八重樫 ルーキー時代の古田? よく覚えていますよ。スローイング、キャッチングはダントツで光るものがあったからね。……その前にトイレに行ってきてもいい? あと、焼酎のお代わりも頼んでおいてくれる?

――うーん、焦らしますね、八重樫さん(笑)。トイレから戻ったら、古田さんのお話をお願いしますよ。

八重樫 わかった、わかった。じゃあこの続きはまた次回に。

(第10回に続く)

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