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2019年11月03日22:41

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猪木とビンス(576)最終章

さて、話をキラー・カール・クラップに戻したいと思いますが、日本プロレスから帰国後、カナダのモントリオールなどのマリタイム地区、NWF地区で試合をしていた関係で74年4月の「第1回ワールド・リーグ戦」で新日本プロレスに初参戦。

大物外国人選手が呼べなかったこの時期の新日本プロレスでは日本プロレスで2度に亘りインターナショナル・タッグ王座を獲得したクラップは大物の部類に入りトップの扱い。

他の外国人選手はジ・インベーダー(ビル・ドロモ)、元WWWFヘビー級王者のスタン・スタージャック、ジート&ボロ(後のマスクド・スーパースター)のザ・モンゴルズ、コシロ・バジリ(後のアイアン・シーク)、アルゼンチン・ズマ、ウォルター・ジョンソンといったメンバーで日本プロレスのワールド・リーグ戦と比較するとかなりグレードが落ちました。

そこで、予選リーグ戦と決勝リーグ戦の二本立てにし、予選リーグ戦は従来通りの日本プロレスのやり方を踏襲、日本人vs外国人の総当たりリーグ戦とし、予選を通過した上位8選手による決勝リーグ戦は全選手による総当たりリーグ戦形式にしました。

これで猪木vs坂口というカードが見られる訳で、外国人が多少しょっぱくても夢のリーグ戦となった訳です。

クラップはそんな中トップとして一人気を吐き、予選リーグ戦では坂口には反則負けしたものの、猪木と4月18日、大阪府立体育会館で対戦し15分41秒、体固めでフォール勝ち。

決勝リーグ戦でも猪木、坂口にフォール勝ち、マサ齋藤にリングアウト負け、スタージャックと両者リングアウトとなり、猪木、坂口と5.5点の同点首位となり優勝決定戦に進出。5月8日、東京体育館での優勝決定戦は3人による巴戦(先に2勝した方が勝ち)となりました。

試合順は抽選で決定、第1試合は坂口vsクラップ、12分46秒、坂口の反則勝ち。坂口1勝、クラップ1敗。第2試合となった猪木vs坂口戦、4月26日、広島県立体育館での決勝リーグ戦は30分時間切れ引き分けでした。

試合中に坂口が場外に落ちた時クラップがインベーダーと共に坂口を襲撃、額を割られて大流血した坂口が出血多量により15分42秒、ドクターストップ負け。猪木1勝、坂口1勝1敗となりましたが坂口はクラップにやられた額からの出血量が酷く、棄権となりました。

これで次の猪木vsクラップ戦が優勝決定戦となり、坂口戦を潰された怒りの猪木が今度はクラップの額を割って流血させ、7分16秒、弓矢固めでクラップをギブアップさせて初優勝を果たしています。

翌75年の第2回大会はフリーのストロング小林、大木金太郎、M齋藤が参戦、しかし外国人勢は前年度準優勝のクラップ以外はスーパー・デストロイヤー(ネイル・グアイ)、マンマウンテン・マイク、サングレ・フリアー、ジョン・ガニア、ファザール・シンとさらに弱体化。 

今回は最初から参加全16選手による総当たりリーグ戦。クラップは猪木にリングアウト勝ち、坂口、S小林、M齋藤にフォール勝ち。大木と両者リングアウト。4月24日、松山・愛媛県民会館で山本小鉄の回転エビ固めの前に金星を献上したものの13.5点と堂々の1位通過。

2位には猪木、坂口、S小林、大木の4人が12.5点と綺麗に横並び。5月16日、日大講堂での優勝決定戦は抽選により決勝トーナメント第1試合が猪木vsS小林、第2試合が坂口vs大木、第3試合が第1試合の勝者vs第2試合の勝者、第4試合が1位のクラップvs第3試合の勝者という組み合わせとなりました。

2位の選手が優勝するとなれば最高で3試合を闘わねばならず、僅か1点の差で首位となったクラップ絶対有利は動かないところでした。しかもこの日は金曜日のテレビ生中継。果たして放送時間内に全部収まるのか、こちらもハラハラドキドキでスリリングな優勝争いとなりました。

決勝トーナメント第1試合は猪木とS小林の一戦、5月6日、広島県立体育館での公式戦は30分時間切れ引き分けでしたが20分22秒、猪木がグラウンド卍固めでS小林の両肩をマットに着けてカウント3のフォール勝ち。

第2試合の坂口vs大木は日本プロレス崩壊の際の遺恨が爆発、4月25日、福山市体育館では大荒れの末14分41秒、ノーコンテスト。本来なら両選手無得点で終わるところ、マスコミ識者により結成された「試合監視委員会」が「坂口と大木の試合はプロレスではなく喧嘩、正々堂々とプロレスの試合を行って決着をつけさせるべき」として異例の再戦を指示。

5月9日、高松市民文化センターでの再戦は13分59秒、半狂乱になった大木がリングアウト負けを喫しています。

そんな中行われた3度目の対戦、いきなり大木が坂口に遅いかかり場外に落とし試合開始のゴング。坂口も椅子、机でやり返して乱闘となり2分33秒、両者リングアウト。試合監視委員会は「またも坂口と大木はプロレスではなく喧嘩をやった」として「両者失格」を言い渡しました。

坂口と大木が両者失格となった為、第1試合の勝者である猪木が1位のクラップと優勝決定戦で対戦、優勝決定戦は2年連続、同じ対戦カードとなりました。

テレビ中継の放送時間は猪木vsクラップ戦の途中で終了。試合はS小林と20分の激闘を行った猪木が疲れからか序盤はいいところなくクラップに攻め込まれていましたが、徐々にペースを取り戻し、16分42秒、猪木がブレーンバスターからS小林戦に次ぐこの日2回目となるグラウンド卍固め。

クラップはついにギブアップし猪木が2連覇を果たしました。
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