葬儀するお金がないので母親の遺体を遺棄したという事件のニュースが流れてきた。このニュースを聞いて思い出すのが、是枝監督作品『万引き家族』の1シーンだ。『万引き家族』では、おばあちゃん(樹木希林演じる役)が死亡したが、家の主人(リリー・フランキー演じる役)が「困ったな、葬式出す金がねえよ…」とつぶやくシーンだ。
映画では、おばあちゃんの遺体を庭に埋めることになる(のちに発覚)。しかも銀行に振り込まれるおばあちゃんの年金はちゃっかり引き出している。富裕層と貧困層とに二極分化を深める今の日本社会では実際にありうる話だ。
【関連項目】
母親の遺体放置容疑で逮捕 川口
https://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/20191024/1100006967.html
埼玉県川口市にある自宅のマンションの部屋に80歳の母親の遺体を放置したとして、52歳の無職の長男が逮捕されました。警察の調べに対し、「葬儀をする金がなく、放置してしまった」と供述しているということです。
逮捕されたのは埼玉県川口市の無職、古泉貴容疑者(52)です。警察の調べによりますと、古泉容疑者は今月中旬ごろ、自宅マンションの部屋に母親で同居していた滝江さん(80)の遺体を放置したとして死体遺棄の疑いがもたれています。
警察によりますと、23日、マンションの管理会社から「部屋から異臭がする」という通報が寄せられ、部屋を調べたところ、滝江さんが布団の上で死亡していたということです。部屋には古泉容疑者の45歳の弟もいましたが、意識がもうろうとした状態だったため、病院に運ばれて治療を受けているということです。
警察の調べに対して容疑を認めたうえで、「以前から母親の調子が悪く、気がついたら動かなくなっていた。自分たちも食事を取れず、葬儀をする金もないので放置してしまった」と供述しているということです。警察は死亡した原因やいきさつなどを詳しく調べています。
ログインしてコメントを確認・投稿する