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2019年09月15日05:53

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小説 夏物語 47

小説 夏物語 47
 内閣調査室・大野は、さらに質問をしたかったようだが、その頃には警察など各方面から報告や指示を求める相次ぐ電話で忙しくなったようだ。電話の向こうで「被疑者5名確保」「襲撃関連で追突事故1件。現場混乱でいまだ詳しい状況不明」「あ、被疑者自殺の報告あり」
「自殺した襲撃者・・病院に運んで胃の洗浄したら間に合わないかな?」
 義之は再び戻って来た沙耶に言った。沙耶について来た機動隊の隊長らしい男が無線で指示を出す。義之は沙耶に電話を渡した。大野といつまでもしゃべっているのは疲れる。自分の傷の手当てもしないといけない。かすり傷だと思ったが意外に出血が続いている。
「室長が、明日にでも東京へ来てほしいって。東京オリンピックもあるし、テロ対策会議に参加して欲しいそうよ」
 沙耶の声を聞きながら義之の意識が遠のいた。眼が覚めたら病室にいた。右足の太ももに包帯が巻かれている。点滴などに繋がれてはいないから予想どうりの軽傷なのだろう。時計を見ると午前1時。新聞配達に行けるだろうか?所長が新聞にチラシを入れたりの準備をするのが2時過ぎなので、まだ電話することは出来ない。仮に電話したとして急に休まれたら所長が困る。
 義之はベッドから降り、足を動かして見た。軽い痛みはあるものの、歩くのに不自由はなさそうだ。移動はバイクだし問題はないと判断した。
 隣のベッドに沙耶が寝ていたが起きる気配はない。疲れ切って熟睡しているようだ。静かに部屋を出た。当直看護師は仮眠か見回り中なのだろう、待機室に誰もいなかったので、見とがめられることなくアパートへ帰れた。コーヒーを飲み、いつもの時間に販売所へ行った。
 配達はちょっときつかった。エンジンはセルスタートなので問題無かったが、右足に力を入れると少し傷む。バイクがこけると多分起こせないだろうと、慎重に配達をした。
 配達中、ちらりと新聞を見ると「住宅街で銃撃戦」一面トップで大きく扱われている。「テロか抗争か」刺激的な見出しが躍っているが詳しくは載っていない。警察発表があいまいだったのだろう。記事の中に、事件関連で追突事故が1軒あったが、大きな事故では無かったこと、住民に怪我人は出ていないことも書かれている。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 雨は上がったようです。配達中はパラパラ降ったりしていたのですが・・今日は市美展関連で、運営委員である松下博美さんの写真講座があるので、それに参加します。その前か後に市美展鑑賞です。ちょっと忙しいふり(笑)雨が上がった様なので散歩写真を撮りながら近所を散歩して来ます。一眠りもしたいけど頑張ろう。ファイト・クウネル♪
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