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2019年08月15日12:00

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終戦の日

何度目だろう。「大空のサムライ」を読み直した。
最初に読んだのは中学生のころのはず。だから40年以上何度もなんども読み直している。

その中で、今回ほど「ひとの死」が心に残ったことはない。
著者であり主人公でもある坂井三郎氏は、日華事変から硫黄島までの経験をこの本に書き残した。その中で死んでいったのは敵だけではない。日本人の精鋭、搭乗員も数多くこの世を去っている。
戦争とは、国が殺人を合法化してしまうことでもある。が、坂井氏だけでなく、当時戦争で戦ったひとびとは自分の戦友を失っても、戦うことをやめることはできなかった。
戦う方法がある限り、文字通り、自分自身の命をかけて戦うことを選んだ。
誰のためなのか。天皇陛下のため?
何のためなのか。お国のため?
違う。そんなもの、建前にすぎない。彼らは自分のため、自分たちの母や父、兄弟、子供たちのために戦った。何度読んでも、他のどんな「戦争で戦った軍人」の著書を読んでも、その印象は変わらない。

戦争を賛美する気にはまったくなれない。人殺しを正当化することも、本来あってはならない。
それでも、戦える場所にいて、戦える手段があり、戦わなければならない状況にあるときに、逃げ出すのは愚か者のすることだ。
そこで勇敢に戦い抜いたひとびと、堂々と戦った歴史を忘れてはいけない。
彼らがいたからこそ、今の我々が、この平和ボケの日本にのほほんと生きていられる。

結果として、日本は戦争に負けた。
だが、最後まで戦い抜いたということだけは間違いない。どれほど勝ち目のない戦争であっても、逃げずに敵に対峙したことを恥じる必要はない。
それは、軍人・軍属だけではない。生きるために、過酷な状況を耐え抜いて、われわれ子孫を残し、育ててくれたすべての日本人が、自分のできる範囲で、戦ってきたのだ。
そのことを誇りに思う。その、ひとびとに、我々の父母に心から敬意をおぼえる。

だから、今日は記念日ではない。
「終戦の日」。

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