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2019年08月03日22:47

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小説 夏物語 16

 沢木の爺さんの家にいるとやくざにされそうで、義之は脱出することにした。探し出して連れ戻されても困るので丁寧な手紙を書き残した。「世話になった恩義でやくざになりたくない。だから恩義を感じる前に消える。親父に恩義を感じるなら探さないで欲しい」と書き記したのだが、沢木の爺さんは義之がそうすることを見越していたのだろう。義之が島から持って来た着替えなどを詰めた信玄袋に札束がひとつかみ入れられていた。
 今考えると、遠くへ逃げるために向かった駅で、あまりの人の多さと、電車の乗り方が解らず途方に暮れていた義之に声をかけて来た女性、若松小百合は、偶然を装ったが沢木爺さんの手の者だったかもしれない。
 そうとも知らず、義之は若松小百合の親切に甘え、小百合が経営する喫茶店でとりあえず働くことにしたのだ。地理も解らず電車の乗り方も解らない。村でも学校でも他人を寄せ付けずに暮らして来た。山の中で動物を狩り、野草や木の実を食べて生きて来たのだ。まずは世の中を知り、人の暮らしになじまなけれならない。
 若松小百合は、ありがたい存在だった。事情を問うことも無く、たんなる家出少年として義之を扱った。西九条駅前に小百合の店はあり、1階が店舗で2階が小百合の住居と従業員の寮になっていた。従業員は23歳だと言う酒匂美津子を中心に20歳の真澄、19歳の良子の3人。この3人も小百合ママの厳命を受けていたのか義之の過去を詮索しなかった。一番年下と言うこともあってか親切に接客の基本を教える。
 言葉のイントネーションがおかしいと笑いながらも、客はおおむね好意的だった。訓練好きの義之もまたさまざまな訓練方を考えた。早朝や深夜、駅前公園を歩き回りながら「いらっしゃいませ・ありがとうございます」と声を出す練習をしたり、多くの人に接するためにと、同じく駅前にあった社交ダンスの教室に通った。駅前に立って、周囲の会話に耳を傾けたこともある。
「お爺ちゃん、どうしよう・・パソコン動かなくなっちゃった」
 沙耶の声で義之は飛び起きた。沙耶がパソコンを使っている間、寝っ転がってカメラ雑誌を見ていたのだが、つい寝込んだようだ。夢をみていたような気がする。
「俺も詳しいことわからないって言ったろ」
 言いながら義之は沙耶と代わりパソコンに向かう。カーソルが反応しない。原因はわからないが義之も何度か経験したことがある。フリーズとか言う状態だ。
「あぁ、こんな時には電源を切るんだよ。コンセントを抜くか、電源を長押しするんだ」
「壊れたんではないの?」
「俺も最初慌てたけど、友達の話しではそう簡単に壊れやしないんだって・・」
 そう言いながら電源を長押しして強制終了させる。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 ぼんち祭りへ行って来ました。予定どうり早めに出て、まず教会へ。これも昨日の予想どうり、雲の形があまり良くありません(汗)それでも一応教会は撮れたから良しとしました(笑)
 5時半から始まる祭りに4時に着いたのでのんびりです。気の早い屋台が準備中なだけで、浴衣姿の女性も見当たらず、のんびり歩きながら、時間をつぶし、祭りの開始を待ちました。でも、日中の撮影は露出が難しいです。思った以上にプラス補正かけてもまだ顔が暗かったりして、失敗ばかりわかり(笑)祭りが本格的に始まると撮れる時間は短い。安物のレンズは暗くなると撮れません(笑)ステージイベントを撮ろうにもダンススタジオの発表会みたいなものですから動きの早さにブレブレです。おまけに厚いから見物客がうちわを使います。シャッターを押したタイミングでレンズの前にうちわの陰が(笑)「7時くらいには引き上げました。
 カーナビ、やっぱり壊れてるようで、自宅に行くよう設定していたのですが、左折のはずを右折と指示。おかしいと思いながら右折すると、末吉長へ向かっていました(笑)暗くてわかりにくかったのですが、このまま行けば末吉を通り越して岩川に行くと感じて引き返し、帰宅がずいぶん遅れました(笑)
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