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2019年07月29日19:37

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小説 夏物語 11

 山田さんはしかし、部屋へは来なかったどこでカメラを買えば良いかを聞きたかっただけと言う。かたくなに拒否する山田さんを無理に引き止めることは出来ない。義之は思い付きで高いカメラを買うより、自分がめったに使わないカメラを貸してやるので、趣味として続けられるかどうか確かめてから買った方が良いと言ったのだが・・
「山田さんって頑固で変わり者ね」
 沙耶は山田さんを一瞥しただけで私用を済ませる。食器を洗い終え。俺の分の昼食を作り終えた頃、洗濯機が終ったブザーが鳴ったので衣類を籠に入れ自室へ戻ろうとする。
「雨だぜ。室内干しなの?」
「そうよ。お爺ちゃん、早く乾燥機を買ってよ」
「いくらぐらいするんだろうね。俺も欲しいとは思っているけど・・」
 沙耶を見送ってから、義之は再び寝ることにした。子供の時からの習慣で眠りが浅い。父親にそう訓練されて来たのだ。父親は深い眠りを許さない。寝ていても周囲の気配を感じ、咄嗟の対応をしないといけないと、不意に叩かれる。時には3日も4日も一睡もせずに山中を歩かせられたこともあった。
 小学生の時、義之は女児として過ごさせられた。声もしぐさも女になることを命令されたのだ。どうしてそんなことをせねばならないのか義之自身が理解していないのに、学校で受け入れられるわけが無い。同級生も、先生も、義之父子を変人とみなし、距離を取られた。いつも仲間はずれであったが、それでも義之にとっては学校が一番楽しめる場所であった。同級生や先生たちの行動を観察すると、自分の知らない世界を見ることが出来る。家族のこと、兄弟のこと、人に恋したり怒ったり笑ったり、感情の揺れに一喜一憂する様の愚かしさと羨ましさ・・
 仲間外れにされても淋しさは感じなかったし,義之から見ても、父親と自分は偏屈で周囲に溶け込まなかった。
 そんな父親が消息を絶ったのは義之が中学に上がった頃だ。それまでも10日くらいは何処で何をしているかわからないことの多い父親だった。食うものは自分で調達させられていた義之は父親の存在を必用としない。いつ不意打ちを受けるかもしれないと、用心をしながら生きる心配がない分、父親不在の方が都合が良かった。
 周囲にはなじまなかったが、学校の成績は良かった。高校へ進学させたいと担任は何度も家を訪ね、父親と話したいと言ったが、義之も父親と連絡をとれない。
そんな時、義之を訪ねて来た男たちがいた。(続く)

獅子座クウネル日記獅子座
 今朝はバイクのエンジンがかからず、急遽車での配達になりました。クウネルの出勤が遅いのを心配していた所長のほっとした顔(笑)
 所長がアパート近辺を配達しているので、「配達途中で確認して置く」と言うので、バイクの鍵を渡しておいたのですが、、たまたまクラッチのかみ合わせが悪く、起動しなかったようです。
 最近、いろんなものが突然機能しなくなって慌てさせられます。先日、悠久の森へ行った時には、カーナビが「衛星を検索中です」の音性が流れたまま先へ進まず、エンジンを切ってカーナビを再起動しても同じことの繰り返し・・「壊れた」と諦め使用せずにいたのですが、今朝はなぜか正常です。
 そして昨日は洗濯機がエラー表示が出て回転せず、これも「壊れた」と想ったら今朝はは正常(笑)困ったものです。それにしても暑いですね。また写真が無くなりました。今朝は朝焼けが綺麗だったのですが、配達開始が遅れ、おまけに車での配達だったので終了時間が送れ、間に合いませんでした。
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