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2019年07月01日00:04

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「COLD WAR あの歌、2つの心」冷戦下のポーランドの恋人たち

冷戦時代の恋人たちを描いたパヴリコフスキ監督は、
主人公の名前を父母の名前としたそうだ。
強烈な個性を持った2人の夫婦だったとか。
背景は、ポーランドに実在するマゾフシュ民族合唱舞踏団。

「COLD WAR あの歌、2つの心」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4757236
https://coldwar-movie.jp/

1949年、ポーランドで組織されたマズレク民族舞踏団で、
ピアニストのヴィクトル(トマシュ・コット)と、
歌手のズーラ(ヨアンナ・クーリク)は出会い惹かれ合う。

舞踏団は好評だが、政治家から共産主義を称える歌を強要され、
52年、東ベルリンではスターリンへの頌歌を歌わされる。

東西ベルリンの壁(61〜89年)はまだなく、
制限された音楽に限界を感じたヴィクトルは亡命する決意する。
しかし打ち合わせておいたズーラは駅に来なかった。

恋人たちの亡命による別れ、パリでの出会い、東西対立による
亡命者の扱いなど、さまざまな史実が組み合わされる。

民族的な味わいのズーラの歌を、ヴィクトルが編曲した曲は、
アンニュイでロマンティックなパリの香りのする歌になっている。

流れる民謡、ジャズ、クラシックなどの豊かな音楽、
モノクロームの画面、離れては出会う恋人、
この時代のヨーロッパの歴史と雰囲気に浸れる作品。


それにしても全体主義国家の舞踊団って、衣装や歌は違うが、
国家を称え、政治家を称え、統一された踊りは同じ。

そういった制限のある中で順応して行ける人と、
自由さ伸びやかさを求めて国を捨てざるを得ない人もいる。

「ホワイトクロウ」のルドルフ・ヌレエフも、音楽家の
ラフマニノフもストラヴィンスキーも、画家のシャガールも。

自分の心にあふれる喜びや悲しみに、
突き動かされて表現せざるを得ないのだろう。

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