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2019年05月30日21:17

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小説 サングラス (姉妹)29

小説 サングラス (姉妹)29
 女とは不思議な生き物だ。ずっと尚美と比べられ、いつも容姿が劣っていると笑われて来たわたし。尚美には勝てないことを解り過ぎるほど解っている。姉妹でこうも違うのかと驚かられることも多かった。
 悔しいけど、それは認めざるを得ない。わたしをかわいいと言う男は、尚美に近付くためのステップだと思っているのだ。何度も体験させられた。でも、どこかで夢見ている。尚美も綺麗だけど、好みでは無い。自分の好みはわたしだと、誰かが言ってくれることを。でも、実際に言われると、なぜか慌てて否定する。
「だって、ちょっと顔出しただけですよ。佐々木さん、わたしの顔など見ていないわよ」
「カメラマンの判断はいつも一瞬だよ。見た時には露出を決め、背景や光の辺り具合を見て、何時でもシャッターを押す準備をする。そう言う習性が身に付いている。佐々木さんは、一瞬で美穂ちゃんをどう撮ったらどう写るかを計算し、イメージどうりに仕上がるかどうかを試してみたくなったんだよ」
「もう・・マスター上手なんだから・・おだてにはもう乗りません」
 照れ笑いでごまかしながらもっと言ってと訴えるわたしの心。
「はっきり言うとね。尚美ちゃんは美人、美穂ちゃんはそこそこ美人・・」
「ほらぁ〜やっぱり〜」
「ごめん。悪い意味でじゃないよ。佐々木さんは、いつも自分を高めようと努力するタイプなんだ。小杉さんみたいに自分の現在のレベルに満足するのでなく、常にもっともっとと工夫し、勉強するタイプなんだ。美人を美人に撮るだけで終わらず、自分の感性に響いた女性を、どこが響いたのか、どう撮ればモデルさんの最高を引き出せるのかを常に考えるタイプなんだ。そう言うタイプはそこそこ美人ほど燃えるんだよ。美穂ちゃんには失礼に聞こえるかも知れないけど・・」
「なんだか褒められていると言うより騙されているような・・」
「美穂ちゃん、いつも俺を叱るけど、あの娘面白い顏してるって俺が言ううのはそういう意味なんだよ。撮り方で大化けするような女性・・いい意味でだよ。そう言う意味で面白い顏って俺は表現しているけど、本人も気づいていない美しさを引き出したいと、強い欲求を感じる女性が美穂ちゃんなんだ」
「でもマスターはめったに女性を撮らないじゃない。面白い顏って言われたら傷つくのよ女の子は」
「俺は・・写真的興味と同時に別な見方をするから・・」
「どういう意味?」
「顏を見て、撮って見たいと思っても、おっぱいが気になってね」
 マスターがニヤリと笑った。(続く)

獅子座クウネルのつぶやき獅子座
 明日からまた雨模様のようですね。新聞の週間予報では曇りですが、所によっては雨とも出ています。今日は散歩撮影頑張ろうと、早水公園へ行って見ました。つつじはもう終わったかと思っていたのですが万葉植物園側ではまだ楽しめます。少し取り方を変えて見ようと、ハイキーで仕上げて見ました。早水公園のアジサイはこれからって感じです。
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