人類は約100年ほど前に人類は食糧危機を迎えるはずでした、
その時、フリッツ・ハーバー博士とカール・ボッシュ博士が空気中の窒素を取り込み、
アンモニアを生成、窒素肥料の大増産を可能にしました。
この事により食糧の増産が可能になり、
当時の2倍以上の人口を支える算段が成り立ったと言います。
不幸にして窒素は火薬の原料でもあったため、第一次大戦で威力を発揮してしまい、
ハーバー博士は毒ガスの製造開発に従事したりしますが、
二人の博士はノーベル賞を受賞します。
このアンモニア生成は高温高圧が必要だった訳ですが、
エネルギーより食料が重要だった訳です。
産経新聞によると工業製品の原材料として広く使われるアンモニアの簡単な合成法を
東京大の研究チームが開発したそうです。
室温で1気圧という普通の条件で実用レベルの合成効率を達成したのは世界初、
エネルギー消費の少ない画期的な手法として期待されるそうです。
窒素化合物のアンモニアは医薬品や肥料などの重要な原料。
現在の「ハーバー・ボッシュ法」は400度以上の高温と、
100気圧を超える過酷な条件で窒素と水素を反応させます。
全世界のエネルギー消費の1〜2%がこの合成法に費やされているそうで、
二酸化炭素を排出問題にも関ってきます。
新たな合成法は、反応を促進させる触媒にモリブデンという金属の化合物を使用。
レアアースのサマリウムを使った試薬に、窒素と水を加えて反応させるそうです。
熱や圧力を加える必要がなく、フラスコでも合成でき、二酸化炭素もほぼ出しません。
レアアースを使う点が課題ですが、再利用や安価な試薬で代替する見通しが立っているとの事。
今後コストを下げて、現在の生成方法を代替して行く事を目指すそうです。
画期的な話です、代替材料が見つかっているなら実用化も早そうです。
元来、日本で鉄砲が普及しだした戦国時代、窒素の生成をを硝石に頼っていた訳ですが、
日本ではそんなもの取れないので、輸入以外は人間の排泄物から取り出していたりする訳です。
そんな涙ぐましい努力がエネルギーで解決したのが100年前、
今度は化学で解決する訳ですね。時代は変わる訳です。
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