石垣島の恐い乗り物

石垣島はまだ行ったことがありませんが国内で今一番行きたい場所です。
沖縄本島は2度ほど行きましたが、石垣島も更なる美しい自然と独特の文化、そして友人が私に熱く語った以下の言葉が頭から離れないからです。

「今まで訪れた国内各地は元よりUSA、Eu、アジア諸国など全ての場所と比べても石垣島は素晴らしかった。一度行っただけで人生が変わってしまうほどの衝撃だった。」

と。
「今年は行きたいな・・」と思いつつ調べていたら意外な乗り物があることを知りました。

それは石垣島と離島を結ぶ船なのですが、競争が熾烈のようで同じまたは隣接航路でも2〜3社が競いあっているようです。

その中でYouTubeなどでも話題になっている「安栄観光」の高速船「あんえい号」（シリーズ）があります。

写真を見るとかなりシャープな船体でいかにも早そうですが、やや大きめの漁船的なイメージもあります。
定員は90〜99人の高速船では標準的なのか、やや小さいかもしれません。

でも驚きのスペックなのです。シリーズのうち「第98あんえい号」のスペックの抜粋をあげてみます。

●定員99名
●エンジンはコマツ製900psｘ３
●ウォータジェット推進システム
●最高速力34ノット（約63km/h)

（速度は他のあんえい号も含めて安栄観光のサイトには34ノットと記載されていますが、他のサイトでは36、38、40、50などの数値が乱立しています。でも会社のサイトの数字が正しいでしょうし、ましてや50ノット（93km/h)はさすがに厳しいかな？と思いました。）

以下参照↓
http://www.aneikankou.co.jp/companies

他のシリーズはスクリューによるプロペラ推進ですが、エンジンは770ps x3とかでプロペラも3基搭載されています。

しかも「あんえい号」シリーズのスクリューで驚くのは「サーフェースプロペラ」と言ってスクリューの上半分が海面から顔を出しているのです。

この方法だとエンジン効率は落ちるようですが、その分プロペラの抵抗が減るのでより高速航行が出来るそうです。初めて知りました。


さまざまなYouTubeや乗船した人のサイトを見ると高波の海面を信じられないほどの速度で進んでいきます。
波の上を飛び跳ねているような凄まじいピッチングで撮影出来たのが不思議な動画さえあります。

また波間が後ろに吹っ飛んでいく様は地上の乗り物だと200km/hくらいの感覚ではないでしょうか。荒天時にこんな船乗ったら確実に酔います。

シートベルトが付いているようですが、過去にはベルトをしていなかった乗客が高速航行中に投げ出されて腰椎骨折という重症を負っていますし、その他にも怪我人が出て国から指導を受けているようです。

また手荷物を雑に床に置いたりすると、あちこちに吹っ飛んでしまい大変なことになるようです。

失礼ですがよくもまあこんな運行が日本で認められているの？と驚くほどです。

スクリューの高速船だと30年以上前に私は境港から隠岐島に向かう高速ディーゼル船「マリンスター」に乗ったことがありますが、これも確か巡航速度は30ノット（55km/h)くらいでしたがあまり揺れずに快適でした。


あんえい号の速度と荒天時でもかっ飛ばす運行には驚きですが、実は私はもっと早い船に乗ったことがあります。

わずか2年で赤字のため廃止になりましたが青森から函館への超高速水中翼船の「ジェットフォイル」です。

同区間を1時間40分、青函トンネル経由のJR特急だと最短1時間59分でしたので船のほうが早いのです。ただし乗り場が中心地からやや離れているので前後アクセスを入れるとJRの方が断然早かったのです。

ジェットフォイルは今でも佐渡やその他地域で乗る事が出来ますが、とにかく早い&しかも揺れないのです。

シートベルトと客室には速度計が付いていましたが、私の乗船した船は88km/hまであがりました。でも揺れません。


エンジンは3800psのガスタービンとウォータージェット推進器を2台づつ、つまり7600psです。

港を出ると推進機が付いた水中翼が沈み船体が海面から浮上します。
この時に船内アナウンスで「ただいま当船はテイクオフしました」と流れて高揚感が掻き立てられます。

猛烈・強烈というほど早いのですがとにかく揺れず、高速道路を大型バスで走っている感じで、旋回時は飛行機のように水平線が斜めになります。

これはボーイング929といいアメリカのボーイング社が開発して川重がライセンス生産しています。

ぜひジェットフォイルは乗ることをお勧めします。
船という概念が変わります。ただし料金はフェリー2等の3倍でした。


石垣島は行きたいけど私は「あんえい号」は止めておこうかなと思いました。
普通のフェリーでも荒天時は船酔いして酷い目に過去あっていますからね。
（青函連絡船や稚内〜礼文航路とか）