18世紀初頭のイングランドの人々は、パイナップルを食べることとアヒルレースに夢中になっていた。体の弱いアン女王(オリヴィア・コールマン姐さん)の身の回りの世話をする幼なじみのレディ・サラ(レイチェル・ワイズ姐さん)が、権力を掌握していた。ある日、宮中に新入りの召使いアビゲイル(エマ・ストーン姐さん)がやって来る。
今年度アカデミー賞で10部門ノミネートされながら、主演女優賞のオリヴィア・コールマン姐さんしか受賞出来なかったのが惜しい。撮影賞は『ローマ』のアルフォンソ・キュアロン監督に取られてしまったけれどもロビー・ライアンさまの撮影技術も凄かったし、美術賞のフィォナ・クロンビー姐さんと、アリス・フェルトン姐さんも惜しいし、衣装デザインのサンディ・パウエル姐さんの受賞もして欲しかったところ。そして助演女優賞の枠になってしまいましたが、レイチェル・ワイズ姐さんもエマ・ストーン姐さんも主演女優賞の枠に入れても良かったのでは無いかと思える程の火花を散らしております。
この映画は絢爛豪華な宮廷の中で、ヒエラルキーの最上段にある女王の寵愛を得たいと思っている人間が綾なす宮廷力学と同時代の仏蘭西とは異なり「議会」の力が強かったイングランド。容姿にも才能にも恵まれなかったアン女王が頼れるのは女王の権威だけ。今迄エリザベス一世やヴィクトリア女王を描いた映画には巡り合えても中々「コレ」と言う作品が無いのは哀しいところ。
映画の中で17匹のウサギを飼っていたのですが、これは死産や夭折してしまった17人の子供(成人した子は一人も居なかった)に準えたものであります。映画のラストでこのウサギが象徴的に使われるのでお見逃し無く。
格調高い映像とは裏腹に下世話な展開が続きますが、何とこれ殆ど史実通りと言うからですから驚きであります。イングランド版「大奥」を観るつもりで観れば間違いないと思います。
http://www.foxmovies-jp.com/Joouheika/
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