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2019年02月06日11:00

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小説 紅蓮 29

小説 紅蓮 29
「何で?旦那は?」
 思わず訊ねる俺に良子は力なく微笑む。
「お店に行ったら店長会議だって言うから・・」
「旦那は?今頃夕食の時間じゃない?」
「いいの。友達と会うから今日は外食してって電話してる。電話しなくても、毎日遅くにしか帰らないけどね」
「友達か・・間違ってはいないけど・・」
 俺は迷った。店内で会うのはいい。周りに誰かいるし、客の一人として応対できる。だが、空港まで迎えに来ている所を誰かに見られると、誤解する者がいるかもしれない。突っぱねてバスで帰った方がいいと思った。バス停前で立ち話しした程度なら、偶然顔を合わせただけで終わるのだ。
「わざわざ迎えに来てくれただろうけど、バスで帰るよ。変に誤解されると、良子さんが困るかも知れない」
「何で?孝君免許持ってないのよ。バスで帰るよりずっと早いよ。それにどっかでごはんも食べれるし」
「晩飯は飛行機に乗る前に食べたよ。それに、店へ帰れば何か食べれる」
「だって、孝君と2人で話してないもの・・」
 良子は何か話があるようだ。正直にいうと、俺もまた二人で話したい。結婚して幸せかと訊いた時、少しと応えた良子の言葉が耳に残っている。心配でもあったし、腹も立てていた。自殺未遂をして、その後電話を取ってもくれなかったくせに、なぜ結婚後に現れて俺を惑わす?
 俺は結局良子の車に乗った。また自殺未遂される恐怖もあったが、良子が店へ来るのを止めさせねばならない。もう結婚したのだから、俺のことなど気にせず、旦那だけを見てもらわねばならない。(続く)

獅子座クウネルのつぶやき獅子座
 雨が降っていたのですが、一根my理から覚めると大快晴。なんなんだって感じですね(笑)雨合羽が滲みて濡れたジャンバーやズボンなどを洗濯機に慌てて放り込みスイッチを入れました。小説の書きだめが無くなり焦りましたが、なんとか今日は持たせました。話しをひっぱっただけですが(笑)
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