今年の冬は暖かいので、また温暖化だと騒ぎ立てている人々がいます。
昨年寒かった時は鳴りを潜めていた時点でなんだか胡散臭く感じますし、
科学者の間でも賛否両論なのですが、
地球温暖化説と言うのは半分以上ビジネスになってしまっていて、
あまり好きになれないのですが、それでも傾聴に値する話はある訳です。
AFP通信の記事によると、地球温暖化の影響で、
広範にわたる永久凍土の溶解が懸念されていると。
永久凍土は数十億トンに上る温室効果ガスを内包していて、溶解にで大気中に放出され、
長年氷に閉じ込められてきた病原菌なども解き放たれる恐れがあると警告。
永久凍土は、凍結土壌の事ですが、大部分は北半球に存在、陸地の約4分の1なのです。
通常は何千年も前から凍ったままで、
深さは数メートルから100メートル位まで多々あります。
アラスカ、カナダ、欧州北部、ロシアをまたぐ北極圏と北方林地帯が多面積を占め、
南半球はアンデス山脈と南極大陸に主に存在します。
永久凍土には、凍った大昔の植物や動物の死骸という有機物の形で、
推定1兆7千億tの炭素が閉じ込められているそうです。
永久凍土が溶けると、有機物が温められ、分解され、最終的に温室効果ガスの
二酸化炭素とメタンとして放出されると。
永久凍土は大気のほぼ2倍の炭素を保持しており、その大部分をメタンとCO2が占めている。
永久凍土の溶解による温室効果ガスの放出は、
2015年に結ばれた地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で決定された、
世界の気温上昇幅を産業革命以前と比べて
1.5度に抑えるという努力目標を危うくするものだと。
二酸化炭素は地球温暖化の最大要因とされているが、メタンの温室効果はCO2の25倍。
永久凍土の温室効果ガスが大気中に放出されると、地球温暖化が悪化し、氷が溶け、
さらに永久凍土の溶解が進み、地球温暖化の悪循環に陥ってしまう恐れがある。
たとえ地球温暖化が2度前後の上昇でも、2100年までには永久凍土の30%が喪失すると。
温室効果ガスの排出が現在のペースで続けば、
永久凍土の最大70%が失われる恐れがあると指摘。
記事はまあ温暖化派の科学者の言いそうな事で、特に目新しくは無いですが、
注目すべきは、氷に閉じ込められていた病原菌やウイルスの
放出の恐れを指摘している点です。
2016年シベリアでの炭疽症による子供の死亡。
70年前に炭疽病で死亡したトナカイの死骸が永久凍土が溶けて露出した事が原因。
昔の天然痘患者の墓など、凍土に埋葬され、氷の中で眠っている他の病原菌も
活動を再開する可能性があると警告しているそうです。
永久凍土の融解による土砂崩れの発生や建物、道路、石油パイプラインの破損など、
インフラへ深刻な影響を与えることも懸念されているそうで、
ロシアの永久凍土の融解が、建物や橋、パイプラインの変形や崩壊を引き起こし、
シベリア西部では修理費は、年間1620億円に達しているそうです。
インフラなどは経費次第ですし、それを見越した対策は出来ますが、
病原菌は非常に危険です、第一次大戦末期に4000万人に人命を奪った
スペイン風邪がインフルエンザの一種と判明したのは、
永久凍土に埋葬された患者の遺体を調査した結果ですし、
植物の種子は1000年経っても発芽できる事を鑑みても、
ウィルスも再生する可能性は高そうです。過去の亡霊が蘇るようで
恐ろしいですね。
ログインしてコメントを確認・投稿する