今日の出来事：１８６５年−功山寺挙兵、１９１１年−オーストリア陸軍のレルヒ少佐が、新潟県高田陸軍歩兵連隊の青年将校に、日本で初めてスキーの指導を行なう、１９１４年−大正大噴火：桜島大噴火、大隅半島と陸続きになる
今日は、功山寺挙兵です。功山寺挙兵は、高杉晋作が長州藩の「俗論派」を打倒のため、功山寺で起こしたクーデターです。「功山寺決起」、「回天義挙」とも言われています。「禁門の変」により長州藩は朝敵となり、「第一次長州征伐」が行われました。「三家老（福原越後・益田右衛門介・国司信濃）」が切腹し、藩政の実権は椋梨藤太の「俗論派」が握る事となりました。「俗論派」は長州「正義派」に対して厳しく粛清を行いました。周布政之助を切腹させ、井上聞多（後の井上馨）を襲撃して重傷を負わせました。さらに「俗論派」は功山寺に潜居していた五卿（三条実美・三条西季知・東久世通禧・壬生基修・四条隆謌）を太宰府に移送し、志士の後ろ盾を完全に廃して、志士狩りを強化しました。「俗論派」の粛清から逃れ、平尾山荘の野村望東尼の元で潜伏していた高杉晋作は、五卿移送の件を知ると下関へ戻って「奇兵隊」に決起を促しましたが、山県狂介（後の山県有朋）に時期尚早と反対されました。諸隊にも呼びかけましたが、「俗論派」を討つ為とはいえ藩主に弓ひく事をためらう者や、圧倒的兵力を有する長州藩正規軍と戦う事に反対する者が多数でした。高杉晋作は吉田松陰より「生きている限り、大きな仕事が出来ると思うなら、いつまででも生きよ。死ぬほどの価値のある場面と思ったら、いつでも死ぬべし。」と教えられていました。この教えが高杉晋作に周囲の反対を押し切ってまで、無謀な挙兵を決行させたのでした。挙兵決行は説得や準備に手間取り、ずれてしまいましたが、当初は旧歴１２月１４日と定めていました。これは「吉良邸討入」と同じで、高杉晋作の師・吉田松陰が東北遊学の為に危険を冒して脱藩した日でした。挙兵に際して自らを、死を覚悟して義のために戦った「赤穂浪士」や、初めて清水の舞台から飛び降りた師の覚悟を挙兵する自らになぞらえていました。この時、功山寺に集結したのは伊藤俊輔（後の伊藤博文）が率いる「力士隊」と、石川小五郎（後の河瀬真孝）が率いる「遊撃隊」のわずか８４人だけでした。死を覚悟した高杉晋作は白石正一郎の末弟・大庭伝七に遺書を託して、功山寺の三条実美ら五卿に「是よりは長州男児の腕前お目に懸け申すべく」と挨拶をし、この挙兵が私利私欲からなるものでないと断った上で、下関新地会所を襲撃しました。そして、長州藩家老・根来上総を降伏させると占拠しました。その後、１８名からなる「決死隊」で三田尻の海軍局に攻め入ると、「丙辰丸」など軍艦３隻を無血にて奪取しました。この挙兵の報が広まると井上聞多（後の井上馨）・品川弥二郎・山田市之允（後の山田顕義）・河上彦斎らが呼応し、付近の領民による「義勇兵」も集結しました。勢力を増すと日和見をしていた「奇兵隊」の山県狂介（後の山県有朋）や藩の諸隊も立ち上がり、高杉晋作に協力しました。「俗論派」藩政府はこの報復として野山獄に捕らえていた正義派１１名「甲子殉難十一烈士」を斬首し、清水清太郎を切腹させました。しかしこれが諸隊の反発を強め赤根武人の調停策を妨げた。この後、「大田・絵堂の戦い」で「俗論派」が率いる藩の正規軍と対峙し、反乱軍がこれを破った事で、藩論は「倒幕」に統一されます。
次に、オーストリア陸軍のレルヒ少佐が、日本で初めてスキーの指導です。テオドール・エードラー・フォン・レルヒは、日本で初めて本格的なスキー指導を行ったオーストリア＝ハンガリー帝国の軍人です。「日露戦争」でロシア帝国に勝利した日本陸軍の研究のため、１９１０年１１月に交換将校として来日しました。日本陸軍では「八甲田山雪中行軍」で事故を起こしたばかりだった事もあり、日本陸軍はアルペンスキーの創始者「マチアス・ツダルスキー」の弟子・レルヒ少佐のスキー技術に注目し、その技術向上を目的として新潟県高田（現在の上越市）にある高田歩兵第５８連隊（堀内文次郎連隊長）の営庭や、高田の金谷山などで指導を行いました。レルヒが伝えたスキーは杖を１本だけ使うスキー術でしたが、ほぼ同時期に普及した札幌では２本杖のノルウェー式が主流となっていました。その後、１９２３年に開催された第１回全日本スキー選手権大会では、２本杖のノルウェー式が圧倒し、レルヒが伝えた１本杖の技術は急速に衰退しました。１９１２年２月には北海道の旭川第七師団へのスキー指導のため、旭川市を訪れました。４月１５日、北海道でのスキー訓練の総仕上げとして羊蹄山に登るため、倶知安町に到着しました。１６日午前５時に出発の予定でしたが、雨のために１日延期となり、１７日に羊蹄山登山をして滑走も行いました。レルヒ少佐は、その年の１０月に帰国しました。帰国して程なく勃発した「第１次世界大戦」にもオーストリア陸軍参謀長として各地を転戦しましたが、戦線での負傷により退役を余儀なくされました。晩年は講演活動などを中心とした生活を送りますが、財政面でかなり苦労しています。現在、新潟県上越市高田の金谷山には日本スキー発祥記念館が設置され、レルヒの業績を伝えています。また毎年２月上旬に「レルヒ祭」をはじめとした各種記念イベントが開かれています。２０１０年にはレルヒが日本にスキーを持ち込んで１００年になる事で、２０１１年にかけて各種記念事業が開催されました。
最後に、大正大噴火：桜島大噴火です。桜島は、鹿児島県の錦江湾にある東西約１２ｋｍ、南北約１０ｋｍ、周囲約５５ｋｍ、面積約７７ｋ�屬硫仍嚇腓任后�かつては文字通りの島でしたが１９１４年の噴火により、大隅半島と陸続きとなりました。御岳と呼ばれる約２万６千年前に鹿児島湾内の海底火山として活動を開始した活火山によって形成された、地質学的には比較的新しい火山です。その山としての新しさ、有史以来頻繁に繰り返してきた噴火の記録、現在もなお活発な活動を続けている事実の全てが、学術的にも観光資源としてもたいへん重宝されており、日本国内だけでなく世界的に有名な活火山となっています。海の中にそびえるその山容は特に異彩を放っており、鹿児島のシンボルとなりました。２００７年には「日本の地質百選」に選定されました。桜島は全域が鹿児島市（１８８９年時点では西桜島村、東桜島村）に属し、桜島地区では７３２９ｈａの区域が「霧島錦江湾国立公園」に指定されています。１９１４年１月１２日に噴火が始まり、その後約１か月間にわたって頻繁に爆発が繰り返され、多量の溶岩が流出しました。一連の噴火によって死者５８名を出しました。流出した溶岩の体積は約１．５ｋｍ3、溶岩に覆われた面積は約９．２ｋｍ2、溶岩流は桜島の西側および南東側の海上に伸び、それまで海峡（距離最大４００ｍ最深部１００ｍ）で隔てられていた桜島と大隅半島とが陸続きになりました。また、火山灰は九州から東北地方に及ぶ各地で観測され、軽石等を含む降下物の体積は約０．６ｋｍ3、溶岩を含めた噴出物総量は約２ｋｍ3（約３２億トン、東京ドーム約１６００個分）に達しました。噴火によって桜島の地盤が最大約１．５ｍ沈降した事が噴火後の水準点測量によって確認されました。この現象は桜島北側の海上を中心とした同心円状に広がっており、この中心部の直下、深さ約１０ｋｍの地中にマグマが蓄積されていた事を示しています。噴火の前兆となる現象が頻発し始めた１月１０日夜から住民の間で不安が広がり、地元の行政関係者が鹿児島測候所（現・鹿児島地方気象台）に問い合わせたところ、地震については震源が吉野付近（鹿児島市北部）であり白煙については単なる雲であるとし、桜島には異変がなく避難の必要はないとの回答をしました。しかし、１月１１日になると住民の中に避難を始める者が出始めました。桜島東部の黒神、瀬戸、脇では地域の青年会が中心となり女性、子供、老人を優先に牛根村、垂水村（現・垂水市）方面への避難が進められました。また、桜島北部の西道、松浦でも青年会が中心となり鹿児島湾北部の重富村（現・姶良町）、加治木町、福山村（現・霧島市）方面への避難が進められました。一方、鹿児島市街地に近い桜島西部の横山周辺は、測候所の見解を信頼する者が多かったため避難が遅れ、１月１２日午前の噴火開始直後から海岸部各所に避難しようとする住民が殺到し、大混乱となりました。しかし、西桜島村の死者は３名のみでした。桜島東側の瀬戸海峡は海面に浮かんだ軽石の層が厚さ１ｍ以上にもなり、船による避難は困難を極めました。対岸の鹿児島市は鹿児島湾内に停泊していた船舶を緊急に徴用して救護船としましたが間に合わず、東桜島村では混乱によって海岸から転落する者や泳いで対岸に渡ろうとして凍死したり、溺死したりする者が相次ぎました。この教訓から、鹿児島市立東桜島小学校にある「桜島爆発記念碑」には「住民は理論を信頼せず異変を見つけたら未然に避難の用意をすることが肝要である」との記述がされており、「科学不信の碑」と呼ばれています。桜島対岸の鹿児島市内では１月１２日夕刻の地震発生以降、津波襲来や毒ガス発生の流言が広がり、市外へ避難しようとする人々が続出しました。鹿児島駅や武駅（現・鹿児島中央駅）には避難を急ぐ人々が集まって騒然となりました。市内の混乱は、１月１７日頃まで続きました。噴火によって降り積もった火山灰は火砕流に襲われた赤生原付近や風下にあたった黒神と大隅半島の一部で最大１．５ｍ以上、桜島の他の地域でも３０ｃｍ以上の深さに達しました。桜島島内の多くの農地が被害を受け、ミカン、ビワ、モモ、麦、大根などの農作物はほぼ全滅しました。耕作が困難となった農地も多く、噴火以前は２万人以上であった島民の約３分の２が島外へ移住しました。移住先は種子島、大隅半島、宮崎県を中心とした日本各地のほか、朝鮮半島に移住する者もありました。明治以前は２万人以上であった島内の人口は、「大正大噴火」の影響により、９０００人以下に激減しました。その後も減少が続き、１９８５年には約８５００人、２０００年には約６３００人、２０１０年には約５６００人となりました。災害復興のため、桜島と鹿児島市街地を結ぶ定期航路を望む声が上がり、１９３４年１１月１９日に当時の西桜島村が村営定期船の運航を開始しました。これが、その後の「桜島フェリー」です。
今日の誕生日：ヘルマン・ゲーリング、岡晴夫、清水一行、大津美子、かまやつひろし（元ザ・スパイダース）、安井かずみ、三木たかし、橋本大二郎、村上春樹、アイ高野（元ザ・カーナビーツ）、楠田枝里子、若嶋津六夫、尾形大作、井上雄彦、石原詢子、澤登正朗、オリビエ・ペリエ、メラニー・チズム（元スパイス・ガールズ）、中谷美紀、幸英明、藤巻亮太（元レミオロメン）、田中美保、辻本祐樹、イモトアヤコ、光井愛佳（元モーニング娘。）、竹内美宥（ＡＫＢ４８）、橋本愛、吉田輝星、山羊座のシュラ
今日の記念日：スキー記念日／スキーの日、桜島の日、いいにんじんの日
今日の「今日訓」：本日は、１９１１年１月１２日にオーストリア陸軍のレルヒ少佐が、新潟県高田（現在の上越市）の陸軍高田歩兵第５８連隊の青年将校に、日本で初めてスキーの指導を行なった事から「スキー記念日／スキーの日」、１９１４年に鹿児島県の桜島で「大正大噴火」が始まった事で「桜島の日」、「１（い）１（い）２（にんじん）」の語呂合わせで「いいにんじんの日」となりました。
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