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2018年12月22日21:36

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【映画】『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リー(ケイシー・アフレックさま)は、兄ジョー(カイル・チャンドラーさま)の急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリック(ルーカス・ヘッジズさま)の後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり……。


本日二度目のアマゾン・プライムビデオにて鑑賞致しました。二回目観直して感じた事は何と精緻な脚本なんだろうか?!と言う事でして、上映開始後55分あたりから、弁護士事務所での後見人の話とフィードバックする形で「過去のあの事件」が描かれるのでありますが、此処に持ってくるのかぁ!と二回目で目から鱗が落ちました。

初回の感想は、最初のアパートの修繕並びに雑用の仕事で「仕事をする事って実は大変なことなんだ」と感じましたが、二回目観直すと、それは彼が自分で選んだ道である事がハッキリと判るのであります。

確かにあれだけの辛い思いをしたら、その町には戻りたくないでしょうが、亡くなった兄がそれをさせてくれなかったのであります。二回目観直して誰が一番好きなキャラクターかと聞かれたら「良くできたお兄さん」と答えるでしょうねぇ。弟の心痛を判っているからこそ、敢えて息子を一時にしても弟に委ねたと考えてしまいます。

さて、その息子。主人公から見たら甥っ子のパトリックですが、可愛いだけの幼少期は過ぎて二股を掛けるチャラ男として描かれつつも、冷凍チキンを見て亡き父の遺体の事を思い出してしまう程に彼も心が破れかけているのであります。

この映画で象徴的なのは、海と船の使い方でして、ファーストシーンとラストシーンを船上で締めたのは意図があっての事だと思っております。陸上では兎に角どこにいても現在の状況では居心地が悪いリーにとって、唯一心安らげる場所が兄の遺した船の上のシーンだけと言うのがとても寂しく、辛い世界に一筋の光明が差すような何でも無いような釣りのシーンにて最初の場面と最後の場面が円環を閉じているのであります。

リーの別れた妻ランディを演じていたのは、この映画で四度目のアカデミー賞ノミネートのミッシェル・ウイリアムズ姐さん。短い登場シーンながら鮮烈な印象を残します。

一年越しになりますが、この映画と巡り会えたことを嬉しく思います。





http://www.bitters.co.jp/manchesterbythesea/aboutthemovie.html
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