毎年被害額が更新されてゆく特殊詐欺。最近では特殊でもなんでもなくなった感は
あるが、少しだけ考察してみた。まあ、フィッシングで怪しいソフトをインストールして
しまった自分が指摘するのも気が引けるところだが
流石にオレオレの連呼でひっかける手口は周知が進んで近年は激減しているだろう。私は
これの対策に本腰を入れた段階で、詐欺は下火になると予想していた。ニュースで
大勢が知れば、コストパフォーマンスが落ちる。単純な手法なので一度知ればガードは
十分だ。ところが数年で新しい型が登場する。パニックになった本人を演じて、対象に
思考する時間を与えないのだ。以来、基本的には相手の冷静さを奪う方向で、進化を
続ける。不思議なのは、類似した手口が分かっていれば疑うことが可能なのに(幾つもの
ヴァージョンが繰り返し報道されている)そうなっていない点だ。識者によれば、自分だけは
ひっかからないという慢心が原因のひとつだという。そうだろうか。人の心理として、
経験のない非常事態に対して最初は信じないものだと思っている。何かの情報で、
現金輸送中に紛失して立て替えたという話でも聞いれば別だが、其の人にとっては
人生初めての出来事の筈だ。何故初動で見抜けないのだろうという疑問を長年抱いてきた。
今も疑問は消えない。
因みに云い訳がましくなるが、自分が釣られたケースでは、PCの不調は珍しくないし
使い込んだマシンではメッセージが出ることも頻繁だった。警告画面に本物の大手の
ロゴが使用されていたので、疑いをもたなかった。最近のアカウント流出を指摘する
メール問題も同様だろうし、本物と勘違いすると一本道になってしまう。予め知識として
頭に入れておくことが肝要だ。
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