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2018年11月08日22:41

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新千歳(その壱)せつない童話『タンポポとリボン』

11月2日(金)。「新千歳空港国際アニメーション映画祭 2018」一日目。
午後から関係者のみの開会式と「インターナショナルコンペティション1」の上映。入場時に投票用紙を貰う。
それぞれに楽しめる6作品が上映された。その中から私的に印象に残ったものを三作紹介。


〇『The Burden』(2017/Niki Lindroth von Bahr)−−スウェーデン。14分。
このアニメ映画祭のオープニング上映だけあって、「ああ、このレベルがわんさか観られるのなら新千歳まで来てよかった!」と思える作品。
ドライブインとモーテルの客とスタッフが孤独について語り、唄って踊る。
いま資料を観たら14分もあった。短く感じた。


〇『タンポポとリボン』(2018/若井麻奈美)−−日本。7分。
私はこれに投票した。
リボンはふざけて解けてはタンポポに結んでもらう。二人のじゃれつく様子で、友情や甘えや愛や老いを一息に語る。
一片の詩か童話のよう。たいへん好感度が高い作品。心に遺った。


〇『America』(2018/Nadav Arbel)−−イスラエル。15分。
そんなにアメリカに憧れるか?と、京女の私は思うのだが―――。
おそらく第三世界にとってはアメリカは夢の国なのだろう。だから不法移民が押し寄せる。そんな現実が普通にあるのだと教えてくれる。
物語は――、
【アメリカに行けば女性も華やかに生きることができ、子供も将来が安定する―――と、夢見る若い母親。夫はアメリカに出稼ぎに行ってるようで、金がたまったらアメリカに呼んでもらえと期待している。
一方、父親不在の息子のほうはアメリカなど眼中になく、常に地元のカッコイイ男たちを夢想している・・・。】
アメリカからの電話を受け取りに行くだけなのに「ハレ」の日のようにドレスに着替える母親。こういう国際的なアニメフェスは、私たちが知らない世界の様々な感情を見せてくれる。
そしてそれは実写の人間でなく絵や人形で語られるので、よけいに感情が凝縮されてダイレクトに伝わって来るのだ。


このあと長編の『FUNAN』を見て、「学生コンペティション」をちょっと覗いてから(これも全部観たかったが)1階のバスターミナルへ。
一日目終了。シャトルバスで千歳市のホテルへ向かう。
空港内は上着を脱ぐくらい暑かったが、さすがに屋外では息が白い。ピリッとした寒さと清浄な北海道の空気を感じさせられた。
(続く!)
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