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2018年11月01日05:29

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トランプ大統領・大暴れ


 最近米国のトランプ大統領の国際社会での傍若無人ぶりが益々目立つようになってきた。彼が今年7月に行った欧州歴訪はそのことをまざまざと見せつけた。トランプは7月11日から2日間にわたり、ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席したが、この際に他の加盟国の防衛支出が少なすぎると不満を爆発させた。NATOの目標は、「2024年までに防衛費の対GDP比率を2%まで引き上げるよう努力する」というものだ。NATOによると、今年の時点で米国は国内総生産(GDP)の3.5%を防衛費にあてている。これに対しドイツは1.24%にすぎない。
 トランプは「この目標値を2%ではなく、4%にするべきだ」とか「防衛費の対GDP比を2%にする時期が2024年では遅すぎる」と言い出した。
 だが他の加盟国首脳はトランプ氏を説得し、「加盟国はこれまでの目標を順守することを再確認した」という内容を含む共同声明について合意した。
 ところがメルケル首相らは翌朝になって、トランプ氏が再びツイッターを通じて他国に対する不満を世界中に発信していたことに気がついた。その矛先は、またもやドイツに向けられた。たとえば大統領は「ドイツがロシアのガスのために数10億ドルも払っているとしたら、NATOには何の意味があるのだ?なぜ28ヶ国の内、5ヶ国しか防衛費の対GDP比率の目標を守っていないのだ?米国は欧州の防衛のために費用を負担しているのに、貿易では何10億ドルも損をしている。他の加盟国は、2%の目標を2025年までにではなく、すぐに達成するべきだ」と批判した。
 メルケル首相らはこのツイッターから、彼が前日に行った共同声明への同意を撤回する危険があると判断し、7月12日に緊急首脳会議を開くことをシュトルテンベルク事務総長に要請した。
 この会議でメルケル氏ら各国首脳は「防衛支出の追加額をこれまで予定していた額よりも増やし、これまでを上回るスピードでGDP比2%ラインに近づける」ことを約束した。 トランプ氏は会議の後「全ての加盟国が防衛費追加の額とテンポを大幅に増やすことを約束した。NATO首脳会議は大成功だった。私が大統領に就任して以来、各国の防衛支出は数十億ドルも増加した。すばらしい!」と自画自賛した。
 各国の首脳が1人の男のツイッターによって、操り人形のごとくに振り回される。困った時代になったものだ。
(熊谷 徹 ミュンヘン在住)ホームページ http://www.tkumagai.de
 


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