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2018年10月30日20:41

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【美術】フェルメールだけを観るには勿体ない「フェルメール展」(前座編)

皆様、お今晩は。来年の2月3日迄上野の森美術館にて開催されている「フェルメール展」に行って参りました。その感想です。

オランダ絵画黄金時代の巨匠ヨハネス・フェルメール(1632-1675)。
国内外で不動の人気を誇り、寡作でも知られ現存作はわずか35点とも言われています。
今回はそのうち8点を展示。日本美術展史上最大のフェルメール展を開催いたします。
日本初公開を含むフェルメールの作品のほか、ハブリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンらの傑作を含む約50点を通して、17世紀オランダ絵画の広がりと独創性をご紹介します。

10月17日の水曜日に「フェルメール展」の当日券が出ていたので、当初観る予定だった「ルーベンス展」を後回しにして此方を鑑賞致しました。入ってみて驚いたのが当初聞いていた「前座の作品には余りパッとしなかった」と言う評価だったので、そんなに期待しないで入ったら、かなり豪華です。作品の殆どがアムステルダム国立美術館からの貸し出し品なのですが、以前、森アーツセンターギャラリーで開催されていたメトロポリタン美術館とロンドン・ナショナルギャラリーとの共同企画展「フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」よりも数段格上の作品が来日しているのに驚嘆したのであります。あの時のアムステルダム国立美術館の展示は悲惨でしたが、今回は腐っても鯛。中々凄いものを持ってきています。

まず会場に入るなりお迎えするのは、カレル=デュ・ジャルダン作『自画像』でして、この黒の使い方は尋常ではありません。単色の黒を幾重にも描き分けております。今迄黒の画家と言えばフランス・ハルスでしたが……と思ったらお隣にフランス・ハルス作『ルカス・デ・クレルクの肖像』が並んでいるではありませんか!画像では伝わらない「黒の凄み」を是非会場でご確認願いたいものであります。
同じ部屋には、レンブラント周辺の画家作『洗礼者ヨハネの斬首』(この画家が不明なので画像を検索するのに手間取りましたが、これも捨てて置くには余りにも勿体無い作品でありましてヨハネの首を持つ男の描写が実に鮮やかでありました。

階を廻ったところに控えているのが、アブラハム・ブルーマールト作の『トビアと天使のいる風景』でして、一軒屋が樹の上に建っているという奇想な光景は、ブリューゲル程の緻密さは無いもののちょっと気になる画家さんでありました。
もう一つ何気に凄いと思ったのがヤン・デ・ヘーム作『書物のある静物』でありまして、机の上からはみ出した紙に文字が書いてあるのですけれども、書かれた文字が判別出来そうな細かさ。同様に文字まで判読できるのはヘラルト・ダウ作の『本を読む老女』。静物画のジャンルでの注目株はもう一人居りましてヤン・ウェーニクスさまが描いた『野ウサギと狩りの獲物』この毛皮の感触が凄いと唸りました。
風俗画ではアリ・デ・フォイス作『陽気なバイオリン弾き』この男が持っているグラスの透明感は只ならぬ技量を感じ小品ですが推しておきたい作品です。
また、このジャンルではピーテル・デ・ホーホの『人の居る裏庭』があったり、ニコラスマースの『糸を紡ぐ女』があったりと賑やかなのですが、真打はハブリエル・メツーの『手紙を書く男』と『手紙を読む女』がセットでアイルランド・ナショナル・ギャラリーから来ている事なんです。

そんな感じなのでフェルメール8点を拝むのは勿論ですが、それだけでは勿体無いと申し上げて前座の紹介を終わらせて頂きます。

https://www.vermeer.jp/



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