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2018年10月24日23:01

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「ここは退屈迎えに来て」

 本日、仕事の後で鑑賞。

 これは、地方都市に住む女性の心象をリアルに綴った山内マリコの同題の連作短編小説を、名手・廣木隆一が映画化したもの。

 何者かになりたいと東京に出てから10年、「私」は何となく実家に戻り、フリーライターとして地元のタウン誌に記事を書いている。
 冴えない日々を過ごしていた「私」は、高校時代の友人と久々に会った勢いで当時の憧れの的だった椎名くんに連絡して会いに行くことになる。その道すがら、「私」の脳裏に椎名くんとの忘れられない思い出が蘇って……

 高校時代の憧れの男子、“椎名くん”を忘れられない「私」を軸に、「私」と“椎名くん”の周囲の人々の人間模様を描く青春群像劇、と言う物語で、連作短編集だった原作小説を、そのまま映画化すればオムニバスになってしまう所を、クルマが変わるごとに乗る人と、時間軸を切り替えて行く構成、イメージソングとなっている「茜色の夕日」を、登場人物それぞれがアカペラで歌い上げるクライマックスと、様々な工夫によってひとつの映画としてまとめて行く辺りは巧みではあるが、だらだらした会話を工夫のない長回しで撮る、それぞれのシーンはいささか退屈で、物語がどうにも弾まない。
 輝いていた高校時代がくすんで行き、閉塞した地方都市の社会に埋没して行く……と言う物語のテーマも、まだまだ若い主人公らを見ると苛々させられるばかり――20代の若者が「昔はよかった」などと言うのは10年早い、と思ってしまう。

 「私」には橋本愛。久々に橋本愛のパッツン前髪が見られる、と言うのは見物(ただし、さすがに高校生役は苦しい)だし、その他キャストもなかなか豪華ではあるのだけど、いささか退屈な映画で、これでは橋本愛と門脇麦の無駄遣いではないか、と思ってしまった。
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