病院に受診してお金も払うのに本当のことを知らされない

ワシが医師免許を取ったのは平成元年だが、その頃からずっと思っていた。
かなり進んだがんでもう1年は生きられまいとかいう状態を、
検査でわかってもなんで本人に伝えないの？
がんはゆっくりと死んでいくのがいいところで、
状態に合わせて旅行もできれば家族でいいお店に食事も行ける。
状態悪化したら無理しないで鎮痛剤をつかってなるべく苦しくなくいれる。
そういうことは、本人が自分の状態を知っているからこそできるんで、
本人に「必ず治る」とか思わせてしまったらたとえば旅行も
「今無理して治りが遅くなると困る、治ったら行こう」とか言われてしまう。
…今しか行けるときがないのに。

ワシの弟が悪性脳腫瘍のときも、きちんと本人に言ったよ。
弟は家族で相談して「これだけはやっておきたい」リストを作った。
「神戸に旅行に行きたい」（旅行途中で倒れた）はワシが計画して付き添って連れていった。
無理な治療をしてもらい娘の小学校入学式には間に合った。
娘が「卒業」「入学」「成人」のときに見てもらうビデオも作った。
発病後８か月で呼吸が止まるまでせいいっぱいを生きた。
ワシはできる限りの協力をした。今、悔いはない。

ワシが医者になったときには本人告知しないのが決まり、みたいな「がん」の扱いだったが、
その後本人告知が当たり前の時代が来た。
…と思っていたところにこのニュース。
まだ化石みたいな脳みその医者がいたんだな。
しかも家族にも言わないってどゆこと？
明らかにこの医者まずいでしょ。

余命1か月伝えず 医師を提訴
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5344688