店舗と同じように会社という組織にも寿命があることを知らない人は意外と多い。
組織に寿命がある以上、政治システムにも寿命がある。
政治システムの寿命はおおむね150〜200年と言われている。
200年前後するとどの国も革命や戦乱で政治システムが入れ替わる。
店舗、いちばんよく見るラーメンや居酒屋など飲食店の場合、
どんなにうまくいっても店長の寿命に店舗の寿命が比例する。
店長が早いうちにオーナーとして会社組織にして、15年ぐらいで
本店支店化して自分が店に立たないようにしないと、店も客も
店長のたたずまいに応じて年を取る。
店長が成人病で入院するころに店は立ち行かなくなり、廃業する。
客層は最前線に立つ店長や店員の年齢に従って変動する。
なぜか若いほうが客の入りが増えやすい。
だからうまくいく飲食店はFCか、常に若々しい風合いの店舗になる。
「その日暮らしでいいから自営店舗」を始めて利益トントンで
放置していたらドボンする、と私はよく言う。
会社はもっと厳しくて、新製品の寿命で会社の寿命が決まるから、
創立時のヒット商品だけで10年20年と食っている企業はほとんどない。
チキンラーメンからカップヌードルのように、さらなるヒット商品を
出さないといけない。赤福のように市場を独占する定番となるか、または
とらやの宮内庁御用達のように公的な認証を得るまで、
おおむね50年は延々と開発は続く。
勝っても規制が変わって、発泡酒のように違う市場が出現したりする。
スーパードライでビールの市場が一気に変わってアサヒが独り勝ちと
思っていたら、発泡酒やらノンアルやら開発が却って激しくなった。
商品と同じように、組織も常に代謝しなければ寿命が来てつぶれる。
そしてどんなに代謝しても、システム化してしまうと必ず動脈硬化を起こす。
林先生が言っているのはこのことだろう。
採用・人事評価・昇進までをシステム化してしまうと、
システムさえ通れば定年まで行けてしまう。
そうなると定年まで宮仕えしたい、とおもうのが人情というもの。
部長でも課長でも50前後になって会社が目に見えて危機でもないのに
無理に攻めて失敗したいと思う人はいない。
この”受験に通りさえすれば安泰”という仕組みが出来上がった組織が寿命となる。
(そもそも入社時点で受験と思っている人しかいないだろう)
一旦こうなると商品が売れなくなる/上場廃止などにならない限り
組織は変わらない。
そして大体の場合、JALのように外部の社長が頑張って変えるしかない。
この問題は、そもそも会社にとって組織は何のためにあるか?
組織を作って人を囲って売り上げにどんなメリットがあるか?
を考えればいい。
私の答えはすでに出ていて、
未来の会社は数人の知能優秀で経営感覚のある天才や本社員(貴族)が
機械を使って仕事をし、どうしても人手を使わないといけない
マンパワーの部分だけ
”奴隷”を派遣で雇って運営する
という形にしかならないと思う。
1割の貴族と5割の機械、それに従う4割の奴隷、が未来であり
その4割も常に減らそうと機械を5割、6割、7割と増やしていこうとする。
これは今の会社の競争力の優位点をみれば明らかである。
ファジーなばらつきがあって税金と声だけでかい”人間”は最小限に抑え、
可能な限り仕入れとして相殺できる機械(消費税と電気代と保守代のみ=全額経費)
に替わり、多くの奴隷市民があちこちで治安を悪化させる。
今既に学校は”ギフテッド”を探そうと天才向けの教育方法がメインになり、
大量の落ちこぼれが”発達障害”としてありあわせの教育で厄介払いされている。
すでに子供の世界で
貴族(塾や入試で好成績の秀才)と
奴隷(軽度の発達障害でついていけない子供たち)
という階層が出来上がりつつあるのだ。
どの組織もいずれ雪崩を打ってこの”効率化”という大縮小の時代を迎える。
残念だが無能と言われている45才以上のバブル世代は逃げ切る。
45歳以下の世代がこの対象になる。
ある時点で”目に見えて若者が減っている”ことに社会が気づいたとき、
さらに雪崩を打つように進むだろう。
一体自分の組織はどの段階にいるのか、よく分析したほうがいい。
■「組織では無能な人が出世する」林修氏が指摘「優秀だった人がいつの間にか無能な管理職になってしまう」
(キャリコネ - 10月16日 16:51)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=5333733
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