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2018年09月07日11:48

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北海道地震体験記 ジャー・ヒロ

北海道地震体験記 ジャー・ヒロ 2018年9月7日(金)

昨日の早朝、2時頃か、深い睡眠から激しい振動で、突然たたき起こされた。(地震だ!)と瞬間理解し、そして同時に死の恐怖も浮かぶ。周りの物に圧し潰されるような予感もした。しかしここ札幌では、大きな揺れは一瞬の間で、と半睡半覚の頭で感じた、落ちた物は、あの激しい揺れを思うと不思議とも思えるのだが、軽いバッグ等数品だった。しかし同時に停電もした。この停電は、長い間経験したことのない、えもいわれぬ恐怖だった。大袈裟に言うと、この世の終わりのような。

とにかく、眠れぬままに朝がくる。朝陽が差し、家の前の公園はいつもと変りなく、晩夏の太陽に気持ちよく照らされていた。しかし相変わらず電気は止まったままだ。ラッキイなことに水道、ガスは通じているのが有難かったが。遠くのあちこちでサイレンが鳴っている。カラスも鳴いている。家の中は真っ暗。キャンプ用の明かりが頼りなく灯っているだけ。

テレビは、当然、映らず、ラジオを聞く。むかわ町界隈が震源で、かなりひどいらしいが、映像がないので何も分からない。電気がないので、パソコンも使えない。唯一頼みの綱のラジオだけが、我が世が来たとばかりに、元気一杯喋っているが、言葉だけではどうも様子が分からない。しかしとにかく市内の信号は切れ、地下鉄、バスは終日不通らしい。

不安を抱いて近所を散歩した。表の通りに出ると、信号が切れた小さな交差点では、通勤の車の群れがびゅんびゅん通り過ぎ、駅方向に行きたい歩行者が隙間を縫って、必死に駆ける姿に愕然となる。更に表通りを進む。何故か近くの大通りとの交差点だけは信号が生きていた。安全に道路を渡れることが無性に嬉しい。更に歩みを進めると、ほとんどの店が閉めているなか、大きなスーパーやドラッグストアー等の周りに人々の長蛇の列ができていた。地下鉄の入り口には「停電により不通」との殴り書きの張り紙があり、近くのバス・ステーションでは入り口のシャッターが下りたままで、異様だった。その前の大きな交差点では、交通警察官二人が手信号で車や歩行者をさばいていた。やはり頭上の太陽ないつもと変わらず輝いているが、地上の光景は異常だった。

家に帰ると、やはり暗いままだった。「電気の全面的復旧には一週間かかる」という話もラジオから流れ、不安な気持ちになる。家の前の公園では、水を求める人々が集まっている。水道は通じているのだが、マンション上層階では、一旦屋上のタンクに汲み上げ、それから各戸に配水するとのことで、電気がないので汲み上げが出来ず、上層階には水がこないという。それで近所のマンション住民達が水を求めて公園の小さな水飲み場に集まってくる訳だ。

とにかく我が家は被害もなく、水もガスもあり、キャンプ用明かりもあり、手元の食料だけでも一週間の停電に耐えられるという自信もあり、幸福な被災者だということが分かったのである。心配をおかけした皆さまに感謝いたします。

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