ファンタジープロレスの巨匠桜井康雄さん追悼(451)

古舘アナ「さあ、膝を使います。顔面っ！右の顔面から左の顔面、山田が先手先手と攻め込む。さあ、サイド・スープレックス、あすなろスープレックスあるいは己が苦心の中で開発していった金縛りスープレックス、この辺の一連の大技を見せることが出来るでありましょうか？

粒々辛苦の中で築き上げてまいりました小兵の山田恵一、小さいということを逆利用した様々な大技、これを何とか高田に見舞って、そして一泡吹かせて、さらには先鋒というプレッシャーを跳ね除けて一回りも二回りも大きくなってもらいたいところであります。当然のことながら、新日の幹部はそういった深謀遠慮があって山田を先鋒に持って来たのでありましょう。さあ、しかしながら高田伸彦、キックの攻撃。さあ出た出た！殺戮の微熱青年、ワガママな膝小僧だ！さあ、どうだっ！今度は山田が返したっ、山本さんっ」

小鉄「はい」

古舘アナ「山田はやはり幾多の闘いの中で、まあ、自分が傷を背負って、傷を背負って、ディフェンスの仕方あるいは知恵というものを学んで来たんじゃないですかねぇ」

小鉄「そうですね。２発位喰らいましたけどね、３発目は掴んでしまった、だから先程一番最初の蹴りを前に出て一歩ステップすれば大丈夫だったんですね。またその辺はちょっと最初の油断ですからね。今なんかですね、そうやって身体が自然に出てしまう、っていう感じになりましたね。これはやっぱり山田選手も研究していますしそれでやっぱり高田選手もそれ以上は敢えて行かなかったですからね、もうちょっと下がって蹴り上げたら、もっともっと効果がありましたね」

古舘アナ「なるほど！」

小鉄「そこらへんのところ、それだけで倒そうという気はなかったですね」

山田、サイド・スープレックスからフォールの体勢へ、高田はカウント２でクリア、山田はスリーパーホールドから首４の字固めに。高田、これを反転して抜きキック攻撃。これを山田が蹴り足を取って倒し、レッグロックへ。高田の両足をクロスさせるとフロント式のインディアン・デスロック。下になった高田の顔面に張り手を連発して入れていきます。闘志溢れる山田のファイト。10分経過。

山田、フロント・ネックロックからショルダー・ネックブリーカードロップ。

古舘アナ「さあ、心を鬼にしてかっての先輩格である高田伸彦に対して山田恵一が見舞っていったぁ！張り手、ネックブリーカー・ドロップ、段階式のネックブリーカードロップ、ダメージも段階式であります。先程の張り手攻撃、これで精神的にも完全に吹っ切れたか！？ブルーのロングタイツの山田恵一、スープレックス攻撃を見たいところでありますがリバースで返されました。この辺は一縷の余裕というものが、先鋒の高田に見えるところであります」

山田、パワーボム狙いで持ち上げようとしますが、高田はショルダースルーでお返し。そして左右のミドルキック攻撃。山田ダウン。

古舘アナ「妥協なきエモーション、ワガママな膝小僧、持っていきました集中砲火、ミドルキック、新日の臓物を揺さぶり続けると言われておりますＵＷＦの十八番(オハコ)内臓破りのミドルキック炸裂！

高田、先鋒としての重責を担うか？高田、もう１回、集中砲火、波状攻撃キックだぁ！新日サイドに『ケリを着ける』為に蹴りを見舞っていったのか高田、立ち上がる山田、ちょっと足元がふらついている。桜井さんっ、ああ、ちょっと危ないですねぇ」

桜井さん「そうですねぇ、あのぉ〜、ちょっとねぇ、山田君のですねぇ、ファイトがですねぇ､ちょっと直接的過ぎるような感じがするんですよねぇ。さっき小鉄さんがおっしゃっていたようにプレッシャーがないですから、思い切って冒険してみてもいいんですけどね」

山田、高田の蹴り足を捕まえて倒し、足４の字固めで反撃に出ました。