中学一年5月の遠足 (文芸誌投稿)
1968年5月の快晴の日。世田谷区にある光明養護学校からバスで三浦半島に向かった。先生、介助員、生徒、個人的サポーター介護者で行った。それ以前は母親たちが遠足にも付き添っていたが、僕の学年あたりから、「母親が学校関係に付き添っていると、生徒たちの自立心が付かない」という理由で、母親抜きの遠足にもなっていった。遠足も貴重な社会経験である。
その遠足の様子だが、山道のバスから見えた三浦岬と海が5月の強い陽光に照らされた所だけを僕は記憶している。海の明るいマリンブルー色と波、陽光に照らされたまばゆい岬のようす。それだけである。考えてみたが、その様子が余りにも印象的だから記憶がそれに集中し、他の事は覚えていないのだろう。それだけ、その景色が心に残った証拠でもある。遠足に行って良かったと思う。それにしても、5月の太陽は強烈なのか!
その付近の写真をインターネットで検索してみた。記憶の風景とはやや違うが、懐かしかった。それを書けて良かったと思う。
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