小用の桟橋にフェリーが接岸する
ガガ…ッと
足下に伝わる振動
むせかえるオイルの臭い
夏の太陽にさらされたデッキの手すりを掴む
山の緑も
海に泳ぐ小魚も
昔と変わらぬ風景に安堵するが
整備された桟橋と岩壁は
全く昔を留めてはいない
この島を訪れるのは軽く50は越えている
瀬戸内の海は穏やかで
行き交う船も額縁の中にあるような
僕は恵まれた仕事に就いてると感謝
おそらくサラリーマンを続けていたら
今のような環境に触れることもなく
人生の引導を渡されていた事であろう
退職して…どうすればと
迷う大人をたくさんみてきた
人生には理不尽な事が多い
理不尽のなかから
自分なりの楽しみ夢を掴むのも己の次第である
この岩壁にはたくさんの想い出があり
忘れ得ぬ人は今頃と
振り返ると
また働く意欲が湧いてくる
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