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2018年04月19日22:18

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私のベストテン(第10回)

(10) 高坂 研
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プロパラ77号(平成29年1月)
ばか詰 5手(透明駒 0+2)

88桂、同I、86飛、95玉、96飛打迄5手詰。

 初形で86に玉方透明駒があるのは明らか。また、初手で88に桂が打てることから、初形で先手玉には99馬により王手がかかっている。この王手は一体どのようにしてかけられたのだろうか?
 それは、2手目で桂を取った駒による開き王手ではありえない。唯一の可能性は、88にいた飛が86にあった先手駒を取ったというものだ。即ち、出題図の一手前は、例えば次のような局面だったことになる。

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ここから86飛生と王手をかけて出題図になったという訳だ。従って、先手の駒台には可視化した飛があることになり、最終手が正当化される。(勿論、詰上りにおいて88にある駒は玉方の成銀である)

 透明駒の正体を暴くのにも色々な方法があるが、できるならその駒に直接触れずに駒種を確定させてみたい。こういうことを表現しようとするとき、レトロ解析はまさにうってつけの手段である。「88に捨駒をすることで、86の透明駒の種類が決まる」というのは、一寸面白い現象ではないかと作者は思っている。

 (5)で紹介した通り、「透明駒+レトロ」の1号局は9手詰なのだが、本作は5手まで手数を圧縮することに成功した(少しは創作の腕が上がったのだと信じたいが…)。更に切り詰めて1手詰(!)にした例もある。これも見て頂こう。

(10-a) 高坂 研
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プロパラ 79号(平成29年7月)
かしこ詰 1手(透明駒 1+1)

12飛生迄1手詰。

 12の桝目に透明駒がいるかどうかで分類すると、
ゞ綿の透明駒がいる
攻方の透明駒がいる
F明駒はいない
 の3通りになるが、このうち,蓮現在先手番であることと矛盾(∵12の透明駒は角か桂ということになるが、いずれも直前の後手の着手がない)。よってillegal。これより、△のどちらか。
 初手12飛生とすると△眸歡蠅気譴襪里猫ということになるが、この場合の直前の後手の着手は12桂→24桂しかない。また、43―98のラインのどこかに攻方角(馬)があることになるので、これで詰んでいる。
 伝統詰将棋と違い、1手詰でもそれなりに考えるところがあるのがレトロらしいところか。

 手順中に証明という手続きを必要とする透明駒と、局面の合法性に立脚して分析するレトロ解析は、ロジックという点で非常に親和性が高い。残念ながら、現在のところ「透明駒+レトロ」を試みているのは私一人のようだが、是非、他の作家にも参戦して頂きたい。ここには間違いなく、今まで誰も目にしたことがない可能性の沃野が広がっている。
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