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2018年03月15日21:32

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本日朝、先日自殺された評論家の西部邁氏について、

その自殺を幇助した人物がいる可能性があると。

この人が亡くなった時、思い出したのが黒鉄ヒロシ氏だったかな、

との対談で語っていたモーリス・パンゲ氏についての書評です。

ウィキペディアによると2013年。結構前だったんだなと。

西部氏は「モーリス・パンゲというフランス人の日本学者がいて、

『自死の日本史』という本が筑摩書房から出ています。

「それを読んで僕がもっともかなと思ったのは、こういう説なんです。

なぜ日本人は腹を切るか。モーリス・パンゲは、腹切りの思想がわかったと言うんですね。

それを僕の言葉で解説すると、

これ以上生きるほうを選んでいると、たとえば心ならずも僕が黒鉄さんを裏切るとか、

やっちゃいけないとつい1年前に言ったことを自分でやってしまうとか、

そういうことが起こり得ます。

つまり生きることには、何かしら裏切りとか、堕落とか、汚辱とか―

僕はピューリタンじゃないから、それを毛嫌いしているわけではないんですが―

そういう本来拒否すべきものが濃厚に伴いますよね、生き延びようとすると。

それがぎりぎりまでくると、神にも仏にも頼らずに、自分の命を抹殺してしまうことで、

汚いと自分の思っていることをしないですむというのです。

うろ覚えなんですけど、そのことをこういう言い方をしていた。

形而上学―この場合は宗教ですね―に頼らずに自分の生に伴う虚無感、

価値あるものは何もありはしないという虚無感を吹き払うために、死んでみせることを選び、

選んだことを一つの文化に仕立てたのは、世界広しといえども、世界史長しといえども、

日本人だけである。そういう日本礼賛なんですが、これはなるほどなと思いました。」


という事をおっしゃっていた訳で、自殺と言うニュースを聞いた時、ああ、と思いましたが、

今回の幇助と言う事態も、ここに思いがある方が関連したのではないかと。

奇しくも本日は西部氏の誕生日で、ご存命であれば79歳。

神にも仏にも頼られなかったけれど、最後の最後に頼れる人物はいたのだなと。

改めてご冥福を。
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