mixiユーザー(id:15337934)

2018年03月09日10:47

238 view

教えること

39年間の高校教員生活で一番楽だったのは進学校の受験指導だった。大学入試は高校で教えるレベルを超えないし、以前のように難問:奇問は出なくなったので、点を取るテクニックを教えればいいのだ。自分が歴史学を専門にしたからと言って史学へ進む生徒を鍛えるわけではない。以前希望した生徒には、歴史の見方など大学教養レベルの指導をしたこともあるが、一般の受験科目ならそれも必要がない。

そういう学校には、自分ができる教師のように錯覚をするのがいる。

難しいのは例えば数学でいえば2桁の足し算につまずくような生徒である。2極分化している学力下位の生徒では、これってあり?といいたくなるようなことが日常的におきる。試験で点を取るテクニックや学問の大系を教えるなんてのはどこの話や、である。

だが、前に書いたように高校でやり直したい、きちんと勉強したいと考えて入ってくる生徒がほとんどなので、彼らに3年間できちんとしたものの考え方、見方というものを教えたいと思う。そのために教材を準備して、50分の授業でどこに重点をおいて集中させるか、ということを毎回考える。

うまくいくこともあるが、ほとんどは無駄足である。でもそれでないと金をもらっているプロの教師とは言えない。

以前、ある教師が「高校って言えるのは○校と×校、△校だけね、あとは高校と言えないね」と進学3校をあげた。そういう本人は、学力下位の高校にいるわけで、なぜ自分がこんな学校にいるのか、アホらしいというニュアンスなのだ。正直にそういうのもあれだが、意外に心の底ではそれに近いんじゃないか、と感じる教師はいる。

金もらってやってるんだから、きちんとせえよな、と言いたいが、彼らには言ってもわからんわな。心の中でバカにしている生徒にいくら体裁を繕って授業をしても、生徒の感覚は敏感だし正直だ。「あの先生は自分たちをバカにしている、アホやと思っとる」何回か、そういう声を聞いた。

そういう自分もああすればよかった、とかこういえばよかった、なんて山ほどある。むしろうまくいったこと自体かぞえるほどしかない。そんな仕事だからしかたがないか。、


日本国憲法第2章第九条を守ろう!

http://classic.blogmura.com/chorus/ranking_out.html
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラス



2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年03月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

最近の日記

もっと見る