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2017年10月28日23:29

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“幻”の「震電」と「橘花」 米国に現存する日独軍決戦兵器

 下記は、2017.10.28 付の産経ニュース【いまも飛ぶ大戦機】です。

                       記

 歴史に「もし」はない。ところが日本人は、戦史上の「もし」が大好きのようで、かつて架空戦記小説が大ブームとなり、昨今ではコミックやCGのバーチャル戦記がもてはやされている。そして未完兵器の奮戦によって戦局が逆転する設定が多い架空戦記の中でも、とりわけ人気が高いのが日本海軍局地戦闘機「震電」だ。現実には試作機が完成しただけで、満足な性能を発揮するには至らなかったが、その先尾翼型の近未来的なフォルムが、架空戦記愛好家の想像力をかき立てるからであろう。

 ただ1機だけ完成した「震電」試作機は、敗戦後に米軍が接収して米本土に搬送された。その後、米国立航空宇宙博物館(NASM)の復元施設倉庫でひっそりと分解・保管され、半世紀以上も人目に触れることなく“幻”の戦闘機となっていた。だが昨年より同館ウドバーハージィ・センター(バージニア州シャンティリー)で、未復元状態ながら前部胴体の展示が始まり、その特異なフォルムの一端が、ついにお披露目されたのだ。しかも同時に、ほぼ原型を保って倉庫で眠っていた日本海軍ジェット戦闘攻撃機「橘花」も、一般公開された。加えてNASMは、完璧に復元した潜水艦に搭載する日本海軍特殊攻撃機「晴嵐」も所蔵しているので、まさにウドバーハージィ・センターは“日本軍決戦兵器展示場”の趣がある。

 NASMからクルマで、3〜4時間ほど南下したバージニア州ノーフォークは、米海軍の中枢となる世界最大の軍港都市。その郊外にあるミリタリー・アヴィエーション・ミュージアム(MAM)は、「橘花」の原型となった独メッサーシュミットMe262ジェット戦闘機を、なんと飛行可能な状態で所蔵している。

 そしてMAMが開催するエアショウでは、このMe262がデモフライトを披露しているのだ。さらにMAMは、ドイツから移築した第二次大戦当時の格納庫内に、極稀少な液冷エンジン搭載型フォッケウルフFw190D-9を筆頭に、独空軍未完兵器の原寸大レプリカも数多く収容しており、さながら“独空軍決戦兵器展示場”となっている。

 NASMとMAMは、日本から見れば地球のほぼ裏側に位置する遠隔地だが、当時の最先端技術を駆使した日独軍決戦兵器とお目にかかれるのだ。架空戦記愛好家や大戦機ファンには見逃せない、実に興味深い航空博物館なのである。(文・藤森篤)

 【プロフィル】藤森篤(ふじもり・あつし)

 日本大学理工学部航空宇宙工学専修コースで、零戦設計主務者・堀越二郎博士らに学ぶ。30余年間、飛行可能な第二次大戦機の取材・撮影をライフワークとする。著書は「零戦五二型・レストアの真実と全記録」「現存レシプロ戦闘機10傑」(エイ出版社)など。

 http://www.sankei.com/premium/news/171028/prm1710280018-n1.html
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