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2017年10月17日13:03

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英国クオリティ

前の日記で日立製クラス800の営業運転開始を取り上げましたが、その余波か珍しく英国鉄道関連のmixiニュースが、同日に二つも配信されていました。しかもご丁寧にもいい話題と悪い話題の対照的な二本立て。

いい方の話題は…まぁシチュエーション的には必ずしもいいとも言い切れないですが、悪天候でカヌーを失い孤立した家族が警察に救援を求めたところ、ハリー・ポッターのホグワーツエクスプレスのモデルとなったSL列車の臨時停車を手配されたという話。

ハリー・ポッターのホグワーツ特急、家族を救出
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=32&from=diary&id=4816067

(以下引用)

[AP通信] スコットランドで10月13日、魔法のような出来事があった。人里離れた山小屋に取り残されていた家族の救出に、あのホグワーツ特急がやってきたのだ。

【その他の画像】

 人気映画シリーズ「ハリー・ポッター」でハリーたちを学校まで乗せていくホグワーツ特急。そのモデルとなった実在の蒸気機関車ジャコバイト号は現在、スコットランドハイランド地方の風光明媚な車窓を楽しめるルートを走行している。

 10月13日、この列車は予定外の停車を行い、嵐でカヌーを流され人里離れた湖畔の山小屋に取り残されていた6人家族を救出した。

 救出されたのは、ジョン・クルエットさんとその妻とその4人の子供たち(6〜12歳)だ。一家はエイルト湖畔の山小屋に滞在していたが、朝、目を覚まし、自分たちのカヌーが流されていることに気が付いた。

 車を停めてある場所には沼地を5キロほど歩かなければたどり着けないことから、クルエットさんは警察に連絡し、何かよい方法がないかアドバイスを求めたという。

 「警察にこう言われた。『次に近くを通過する列車に皆さんを救助してもらうよう手配した。信じられないだろうが、その列車はホグワーツ特急の蒸気機関車だ。子供たちは大喜びだろうね』」。クルエットさんは15日、そう語った。

 子供たちは皆ハリー・ポッターのファンで、今回の出来事には「本当に興奮していた」という。

 「子供たちはハリー・ポッターの映画も知っているし、ハイランド地方がそのロケ地であることも知っている。でも実際にジャコバイト号の姿を目にするまでは、頭の中を整理できなかったようだ」とクルエットさんは語る。

 スコットランド中央部のスターリングにある教会の牧師だというクルエットさん。カヌーが誰かに発見され、今回の件が完璧なハッピーエンドで終わることを期待しているという。

 「きっとそのうち見つかるだろう。長さは5メートル弱、フロート付きの赤いカヌーだ」とクルエットさんは語る。

(日本語翻訳 ITmedia NEWS)

(C) AP通信

(以上引用終わり)

英国鉄道のイレギュラー発生時の対応はお世辞にもホスピタリティがあるとは言い難いパターンが多いのですが、これは心暖まる話題と言えそうですね。

一方で悪い方の話題は、先述のクラス800が営業運転の始発列車でいきなり空調機器から水漏れし一部の車両の車内が水浸しになったという内容。そういえば前の日記のニュース元の画像でも車体には細かい水滴が滴っており、天気は良くなかったようですね。

■英高速鉄道、座席がずぶ濡れ 日立製車両「出発に暗雲」
(朝日新聞デジタル - 10月17日 10:49)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4816002

(以下引用)

 英国で16日から営業運転が始まった日立製作所の新型の高速鉄道車両の始発列車で、技術的な不具合によるトラブルが起きた。出発が遅れて遅延したうえ、客室の天井にある空調機器から水が漏れて座席がずぶぬれになった。英BBCは「新しい高速鉄道の出発に暗雲を投げかけた」と伝えた。

 BBCなどによると、英南西部ブリストル・テンプル・ミーズ駅を午前6時出発予定の始発列車は予定より約25分遅れて出発し、終点のロンドン・パディントン駅に約40分遅れで到着した。ツイッターでは水漏れをよけるために通路に立つ乗客の写真が投稿され、乗客から残念がる声もあがった。列車にはクリス・グレイリング英運輸相も乗車していたという。

 日立レールヨーロッパのカレン・ボズウェル社長はツイッターで「計画通りに行かずに大変申し訳ないと乗客の皆さんにお伝えしたい」と謝罪した。日立の広報担当者は「技術的な不具合の詳細について調査している」と説明した。(ロンドン=寺西和男)

(以上引用終わり)

…このニュースのレスポンスでは日本のものつくりの現状を憂う声が多いですが、自分としては正直、英国の現場で何かサボタージュの類いが行われたのではないかと勘繰っています。何せ国内の鉄道で近年こんな不祥事があったとは聞かないので、英国由来の事情を疑わざるを得ないのです。

英国と言えば鉄道発祥の国として知られますが、英国の国産鉄道車両メーカーは長い経済の低迷の中で全滅しており、工場こそ残っているものの所有者は全てフランスやドイツなどの外資系企業となっています。
このため英国メーカーが製造した車両が新車として登場することは今や無くなり、従って車両が更新されるほど、英国オリジナルの車両は数を減らす状態です。
このような状況で、実は英国オリジナルの高速列車であるIC125とIC225をまとめて置き換えようとしているのが他でもないクラス800であり、だから英国現地の鉄道ファンの中には、クラス800を嫌う見方も少なからず見られるようなのです。
これは日本で言えば国鉄型車をJRの新車が置き換える流れに近いですし、更に言えば東海道山陽新幹線の車両からもし国産車がいなくなったらと考えると理解出来なくもありません。
こうした不可避の環境で、義憤に駆られた(?)メーカーの作業員なり現業の整備員が、嫌がらせ的にわざとでたらめな整備をした…というのも、あの国ならあり得そうな話だと思うのです。

まぁ、そうは言っても英国鉄道のクラス800導入は日立やひいては日本と英国とのビジネスであり、この勘繰りが当たっていようがいまいが不具合は直して出来る限り予定通り導入を進めていく他はありません。
英国は昔から工業製品の出来にはムラがあることで定評がある国であり、今回のアクシデントはその洗礼を受けた、と見ることが出来るでしょう。これについてばかりは、日立が英国クオリティに染まりきらないことを祈るよりありません。
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