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2017年08月24日16:05

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ノスタルジーで、本や本屋のことを語っても無意味

 今も昔も、趣味に読書と書く人は無数におれど、読書家や本を活用する人は限られていた。どの時代でも、その数はほぼ一定数で、大きな変動は無かったのではないか?
 本と本屋の文化と言うものがあったとするならば、そのような少数の人により作られ、保たれてきたのだ。大衆は寄与していないといい切ってもかまわないだろう。

 情報入手や娯楽の手段として、昔は出版物の比重が高かった。というか、代替するものが殆どなかったからである。
 映画、ラジオ、テレビの出現と普及も、出版物とさほど競合するものではなく、共存できたし、コラボも可能だった。と、同時に、本の低質化も大きく進行した。質のことなどまるで考えもせず、ともかく収益性だけを追求しての出版競争が激化したのである。
 世にクソ本が溢れ、ゴミが良本を駆逐していった。これが、高度成長期頃に始まり、現在に至る話である。
 小規模本屋では商品展示に限りがある。再販防止法@諸刃の剣 により不良在庫の返品は可能なものの、回転率が悪ければ収益性は低下する。必然的に、ベストセラー本やハウツー本、雑誌・週刊誌中心の品揃えとなり、本屋文化の存続と縁をきる書店が続出、本屋衰退への扉を開くことになった。まあ、本や経営者の自業自得というか自己責任の範疇の問題だ。
 コンビニの普及で、雑誌や週刊誌、一部の売筋本も扱うことから、小規模書店と競合するようになる。で、圧倒的に数が多く、営業時間が長いコンビニに太刀打ちできるはずもなく、撤退を余儀なくされて、地域から書店が消えいていった。いずれにしろ、ろくでも無い本しか扱っていなかったのだから、消失しても、その地域への影響はゼロなのだが。
 消失を悲しみ、昔を懐かしむ人も出るが、それは、幻想の本屋を想っているに過ぎない(笑。

 IT技術の進歩と、世界をカバーするネットの実現と個人利用への実現で、「情報としての本の中身」はその中に組み込まれ、物理的な本の流通も牛耳られることになる。

 いまでも、これからも、物理的に存在する本は、有用で、利用価値も高い。また、工芸品としての価値をつけられもしよう。
 ただし、それに値する本は、稀という事も知っておく必要がある。また、手許に置きたいという本も、少ないとということも。
 情報としての本は、電子データで十分である。アーカイブも充実してきているので、いながらにして、たくさんの『本』にアクセスできる。
 大型書店は、まだまだ健在であろう。一覧性と見比べて見るのが容易だからだ。そして、必要とあれば、即入手できる利便性もある。ただ、何か無いかな? と巡るには、ゴミ本の量がおおすぎて、一昔まえのように気ままに愉しむとは、程遠い状況にある。
 たくさんの本が出版され、消費されていく。人が使える時間は有限、しかも限られたものであるから、全てに目を通すなどはなから不可能、何らかの選択補助ツールが必要になる。それは、書評であったり、口コミであったり、カタログであるわけだが、それにより選別・選択されたものを手に入れるには、わざわざ本屋に行く必要はなく、ネット通販で素早く簡単に入手できる。すなわち、すでに、本屋の存在価値が薄れてきているのだ。

 本屋の消失は、必然であり、時の流れの一コマにすぎない。
出版事業もまた、風前の灯火(ともしび)。これもまた、身からでた錆。
いったん、沈むところまで沈んで、再生に真剣に取り組めば、なんとかなるレベルかと。
 ネットのお陰で個人レベルで、既存メディアの力を借りずに作品を世に問う事ができる時代になっている。能ある人材なら、才覚と努力で収益をともなう創作活動とするのが可能な状況になっている。これもまた、パラダイムシフトのひとつであろう。
 
 

---リンク元記事:(朝日新聞デジタル - 08月24日 03:12)
■書店ゼロの自治体、2割強に 人口減・ネット書店成長…
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4730973

 書店が地域に1店舗もない「書店ゼロ自治体」が増えている。出版取り次ぎ大手によると、香川を除く全国46都道府県で420の自治体・行政区にのぼり、全国の自治体・行政区(1896)の2割強を占める。「文化拠点の衰退」と危惧する声も強い。

 トーハン(東京)の7月現在のまとめによると、ゼロ自治体が多いのは北海道(58)、長野(41)、福島(28)、沖縄(20)、奈良(19)、熊本(18)の順。ほとんどは町村だが、北海道赤平市、同歌志内(うたしない)市、茨城県つくばみらい市、徳島県三好市、熊本県合志(こうし)市、宮崎県串間市、鹿児島県垂水(たるみず)市など7市や、堺市美原区、広島市の東・安芸両区の3行政区もゼロだ。

 出版取り次ぎ大手・日本出版販売(東京)の別の統計では「書店ゼロ自治体」は4年前より1割増えた。

 全国の書店数は1万2526店で、2000年の2万1654店から4割強も減った(書店調査会社アルメディア調べ、5月現在)。人口減や活字離れがあるほか、書店の売り上げの6〜7割を占める雑誌の市場規模は10年前の6割に縮小。紙の本の市場の1割を握るアマゾンなど、ネット書店にも押される。経営者の高齢化やコンビニの雑誌販売なども影響する。日本出版インフラセンターの調査では、過去10年で299坪以下の中小書店は減少したものの、300坪以上の大型店は868店から1166店に増加。書店の大型化が進む。

 街の書店は、子どもが絵本や児童文学を通じて活字文化の魅力に接する場であり、ネットが苦手な人の情報格差を埋める機能もある。地方都市では地域の人が集い交流する場でもあった。手にとって未知の本を読み、関心の領域を広げる機会も得られる。

 作家で、文字・活字文化推進機構(東京)副会長の阿刀田(あとうだ)高さんは「書店は紙の本との心ときめく出会いの場で、知識や教養を養う文化拠点。IT時代ゆえに減少は避けられないが、何とか残していく必要がある」と話す。
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 この記事の後半は、アホすぎる記者の下らん感想文。
活字文化などというものは、すでに過去の遺物であり、感傷にすぎない。
 ごく一部の児童書専門店以外で、「子どもが絵本や児童文学を通じて活字文化の魅力に接する場」であったことなどない。インテリ気取りの住民が薀蓄を語る本屋があったかもしれないが、「地域の人が集い交流する場」であったこともない。
 
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