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2017年08月23日23:11

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ファンタジープロレスの巨匠桜井康雄さん追悼(130)

藤波とタイトルマッチ前哨戦で好試合を展開し本番への期待が強まったカネックでしたが、シリーズ後半は藤波戦で膝を痛めて試合を欠場。

前日まで試合を欠場したまま、シリーズ最終戦の3月30日、蔵前国技館大会を迎えるに至りました。

タイトル戦の前に新間がリングに上がり、「本日、藤波選手と対戦予定だったエル・カネック選手ですが、試合開始の時間になっても会場に姿を現しません。よってこれを『敵前逃亡』と見なします。カネックに代わってイワン・コロフ選手が藤波選手とノンタイトルで対戦致します。ファンの皆様にはご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。」

と事情説明。観客からは「聞いてないぞ!」、「金返せ!」と怒号に近い罵声が浴びせられました。

先にリングに上がっていた藤波がマイクを持ち、「今日はすみませんでした。自分は(WWWFジュニア・ヘビー級の)ベルトを返上します!」と観客にお詫び。

そうすると観客席からは「藤波、お前のせいじゃないぞ!」「ベルト返上なんかしなくていい」という同情の声に変わりました。

後年、何か藤波絡みで事件が起きると、藤波はよくベルト返上を口にして、実際にはやらないというコンニャクぶりを発揮しますが、この時はまだ観客も藤波の「ベルト返上」を真剣に受け止めて金返せコールなどの罵声から反応が変わったので、藤波の頭の中でこれは使える、というものが刷り込まれたかと思われます。

そこへ間髪を入れず次のMSGシリーズ開幕戦、4月21日、蔵前国技館で藤波と予選トーナメント1回戦で対戦が対戦が決まった上田馬之助が私服姿でリングに乱入し藤波に手を出して乱闘が始まり、上田は退散。

この辺り、問題の真相を誤魔化して観客の目を藤波と上田の乱闘に持っていってしまう新日本プロレスと言うより、新間のずる賢いやり方だったと思います。

藤波と上田の乱闘がひとまず治まったところで急遽、本日2試合目となるコロフがリングに登場。

スペシャルマッチ60分1本勝負の試合開始のゴングが鳴りました。この時のコロフの萎んでしまった体型をみるとジュニア・ヘビー級のタイトルマッチにしてもおかしくありませんでしたが…。

試合はゴングと同時に藤波が師匠猪木譲りのアリキックを連発、コロフの軸足を捕らえて自らの身体を回転させるドラゴン・スクリューを披露。

コロフのバックに回るとフルネルソンから一気にドラゴン・スープレックスホールド(飛龍原爆固め)。コロフは首からマットに後頭部を叩きつけられて失神。レフェリーのミスター高橋はカウントを入れずに即座に試合をストップ。2分25秒、藤波が勝利しましたが藤波に笑顔はありませんでした。

この日は新日本プロレスの興行としては猪木vsマスクド・スーパースターのNWFヘビー級選手権試合、藤波vsカネックのWWWFジュニア・ヘビー級選手権試合(初の国内開催)と団体旗揚げ以来初の2大タイトルマッチと銘打って行われる予定でしたが、カネック敵前逃亡により、実現せずに終わりました。
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