さてこちらのCSポート社212真空管シングルアンプ。
前日にはTAD Compact Referenceに
翌日は地元仲間宅で英国ヴァイタボックス社 CN191コーナーホーン&バスホーンとJBL社ハーツフィールドに繋がれた。
ヴァイタボックスは4台のモノラルパワーアンプでマルチで鳴らされているため、212アンプも4台持ち込まれた姿は壮観でした。
前者では前後感 上下感といった三次元的表現を示した212アンプが後者のヴィンテージホーンスピーカーでは音場が出ない。
スピーカー間に横一列に貼り付いた浮世絵のように並ぶ悪い定位・・・・
仲間がここで長年使っているカンノ製作所 300B-MN モノラルパワーアンプ
これに繋ぎ直すと、自分が個人宅、ショップらでの数多い体験でも2人しか達成できていないホーンスピーカーから現代ダイレクトラジエター同様の音場、サウンドステージが表れた。
自分とは使っているオーディオスピーカーは違えど、彼の言う、ヴィンテージの世界を目指しているわけではない、「そこにスクッと女性ボーカルを立たせたいでしょ!」の一言で、平蔵や現代ハイエンドが目指すボディーそのものを出す、音場を出す方向と同じ表現を彼も追いかけてきたことがわかった。
どうしてなのか。
うちでも似たような体験があるし、彼やメーカーの方々もその理由を分析された。
そもそも、100 dBを超えるようなホーンスピーカーと、90 dBかそれ以下のような現代ダイレクトラジエタースピーカーを鳴らすアンプに求められるものは全く違うようだ。
カンノは故菅野省三さんがWE555 WE594ドライバー&ホーンという100 dBを優に超える高能率ホーンを使いながら開発されたもの。
CSポート社212真空管シングルアンプはTADのリファレンス1をメインに使って開発。
B&Wなどの現代スピーカーが想定されたアンプ。
うちでも、ソナス・ファベール社のガルネリ・オマージュを自分の理想音でドライブしているEL156プッシュプルアンプをホーンスピーカーに繋いでも、音が強すぎたりして好ましく鳴らない。
逆にホーンスピーカーで好ましく鳴っているWE252A/WE300Aシングルアンプ、RE604シングルアンプ、2A3シングル、WE300Bプッシュプルアンプをガルネリに繋ぐと、トルク不足からと思われる弦楽四重奏曲専用スピーカーになってしまいます。
そんな意味で300BシングルアンプでB&Wの大型スピーカーをドラムら叩く音らも含めてらしく鳴らせないと我々皆が日頃から主張している次第です。
アンプとスピーカーの相性は、事前に何のスピーカーを想定して開発されたのか、開発現場のスピーカーは何か?高能率ホーンか、低能率現代スピーカーかでまず決まる法則性を掴めたことが今回の試聴会の最大収穫でした。
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