絵巻マニア列伝（サントリー美術館）

　サントリー美術館開館１０周年記念展覧会「絵巻マニア列伝」を鑑賞しに
行ってきました。

　今回の展覧は、絵巻作品のみならず、その絵巻を愛し、保存し、複製し、
また自らも新作し、という歴史上の絵巻愛好者「絵巻マニア」たちの動き
に焦点をあてたものです。

　取り上げられたのは、後白河院、花園院、後崇光院、三条西実隆、足利歴代
将軍、松平定信など。

　出品された絵・絵巻類はどれも状態がよく、古くは７００年以上も昔の
愛好家たちの絵巻に対する愛情を感じるとともに、日本絵の具の保存状態
のよさ、墨の色合いに、日本ならではの美意識を感じる事ができ、幸せ
な気分になりました。

　毛筆ってほんとにすごい…大学時代、達筆であられた恩師は、平安時代
の研究の際に、月の光りで文が読めるか、とか、花びらに毛筆で字をかけ
るか、などご自分でやってみられたそうです。結果は原題の墨や筆でも
十分可能だったとか。その恩師ももう鬼籍に入られてしまいましたが、
その恩師のことを懐かしく思い出しました。

　見どころはほんとうに多くて、覚えきれないし(^_^; 書ききれないですが
「病草紙　断簡　不眠の女」の現代的な悩みのさまがとても印象的でした。

　また、「土佐日記」為家本の奥書を見られたのは感動しました。

　www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_2/