(10)Nikita M. Plaksin, Alexander Kislyak(Europe Echecs 1987, 3rd Com.)
局面をほぐせ(15+10)
なくなった駒は白がSの1枚のみで、黒はQRRBPPの6枚。白の9枚のRのうち7枚は成駒だから、g6にいるものを除いて白Pは全て成っていることになる。一方、黒側の駒取りはc筋でのPによるもののみ。よって、a,c,d,e筋の白Pは成る為に1枚駒取りを必要とする。
白の最終手はBg5+だが、これが駒取りだったかどうかは現時点では分からない。とりあえず1.Bh4-g5+だったとして話を進めよう。 よく見ると、黒が戻せる駒は1...Pc3-c2しかない。(1...Pb3xSc2という戻し方もできそうだが、そうすると黒Kの周りの膠着状態をほどくことができなくなってしまう)
白も2.Ra3-a2+とする他ない。その後も紛れることなく、2...Kc2-d2 3.Rd1-c1+ Kb2-c2 4.Rc1-b1+ と進む。作者の意図が見えてきましたか?
そう、Rによる知恵の輪である!そうだと分かれば以下の局面までは一瀉千里だ。ここで黒は、11...Kf6-e6とQとBが利いている場所へ突っ込むしかない。一見逆算不可能にも見えるのだが…。
ここでen passantが閃けば万事解決である。12.Pf5xg6 e.p.+ Pg7-g5 13.Bg3-h4+ Kg5-f6と戻せば、これで黒Kは漸く解放されたことになり、白側の残り1つの駒取りがh筋の黒Pだった(つまり、g筋の白Pがh筋の黒Pを取り、g-h筋の白Pがどちらもh8でRに成った)ことも判明した。
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(11)Niels Høeg(Retrograde Analysis 1915)
最終13手を求めよ(16+10)
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