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2017年02月28日19:10

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侍戦隊シンケンジャーの魅力(12)ー第11話「三巴大騒動」

第11話「三巴大騒動(みつどもえおおそうどう)」

番組公式サイト 東映 http://www.toei.co.jp/tv/shinken/
第11話 あらすじ http://www.toei.co.jp/tv/shinken/story/1188557_1569.html
脚本:小林靖子 監督:諸田敏

「そいつは本当かぁー!!」
六門船にドウコクの怒号が響き渡った。剣をシタリに突きつけたドウコクは怒髪
天をつく勢いだ。シタリは、十臓が六門船を訪れたときにもらした言葉「シンケ
ンレッドは志葉家当主の跡取りだぞ。お前をバラバラにして封印した」が気にか
かり、志葉家の資料を調べていたのだ。そして、外道衆たちが見落としていた
とんでもない事実を調べだした。
ドウコク「腹の中で俺を笑ってやがったんだ…志葉家の奴らも同じよ。この俺を
こけにしたって訳だ。」怒りにまかせて吠えるドウコク。ドウコクの力に応じて
名無しや大名無しが次々と生まれ人間界へ。隙間センサーが鳴り、出陣するシン
ケンジャーたちー

 名無しの集団と戦闘に入ったシンケンジャーたちだが、なんだかいつもと様子
が違う。名無しだけが次々とわいてでて、終わることがないのだ。そのうち名無
したちは口々に「シンケンレッド」と言いつつ、レッドだけに向っていく。
そして「隙間」からは不気味な声が「シンケンレッド…志葉の当主」レッドは
咄嗟にイエローのシンケンン丸をとると、火炎雷電の舞の二刀流で一挙に名無し
をけちらす。あの不気味な声は?
丈留「たぶん、血祭りドウコク…」丈留は何か心当たりがありそうだ。

 六門船では、ドウコクが荒れ狂ったあと、酔いつぶれてしまう。ススコダマ
(口まねをする小さな外道衆)まで、船中にあふれ、シタリも驚き顔だ。

 志葉家の屋敷。侍たちがドウコクの不気味な声と、丈留だけが狙われたこと
に疑問を口々に口にしている。彦馬と丈留には、なんらかの了解があるらしい。

彦馬「殿、血祭りドウコクどうやら気づいたとみて間違いありますまい」
流ノ介「『気づいた』とは?」
彦馬「これは極めて秘密のことなれば、お前達も聞いてはおらんだろう。
実は、志葉家には代々ある『文字』が伝わっている。志葉の人間にしか使えぬ
文字だが、この文字こそ、外道衆、血祭りドウコクを封印できる唯一の文字。
 先代の殿はその文字でドウコクを封印された」

 先代の殿の時代、志葉家が襲撃された時の回想が流れる。燃え盛る志葉の
屋敷、次々に倒される侍達。

彦馬「かつて突然のドウコクの襲撃に、全滅近くまで追いつめられたとき…」

 烈火大斬刀にすがって、ようやく立っている先代レッドにドウコクが迫る。

ドウコク「シンケンジャー、俺の邪魔ばかりするからこうなる。じっくり後悔
しながら、死ねぃ!!」一刀のもとに倒される先代レッド。最後の力を振り絞
って書道フォンを手にする。

彦馬「志葉家の者にだけ伝えられ、使う事のできる『封印の文字』先代殿は
命をかけてそれを…ドウコクは封印されそれが先代殿の御最期に」

 重苦しい沈黙が侍たちを包む。ことははショックのあまり座をはずして
立ち上がってしまう。

 丈留は先代殿の鎧に目をやり、沈黙していたが、黙ったまま座敷をでていく。

 千明がそれを使えばまたドウコクを封印できるのでは?と当然の疑問を
投げかけるが、彦馬によると『封印の文字』にはとてつもないモヂカラが
必要とされるという。そして、同じころ六門船でも…

シタリ「前のシンケンレッドは使いこなせてなかったんだよ。不完全だった
からドウコクも復活できたんだ。」
薄皮太夫「今のシンケンレッドはどうなんだ?」
シタリ「使えないね」
薄皮太夫「なぜわかる?」
シタリ「私たちがこうして無事なのがその証拠さね。でもこの先はわからない」

 だったら『封印の文字』が使えないいまのうちにシンケンレッドを。
シタリは外道衆にも怖れられるほど腕のたつあやかし・ウシロブシを呼び出し、
シンケンレッドへの刺客に差し向ける。

 志葉家の朝稽古。侍たちは、昨夜聞いた『封印の文字』についてあれこれ
話しあっている。流ノ介が家臣の思いを総括するように、陽気に話しだす。

流ノ介「我々がなぜ家臣として育てられてきたか、その意味がようやくわかっ
た。殿をお守りすることが、すなわちこの世を守る事。我々が殿の盾となって」

 物陰からそれを聞いていた丈留は、なぜかいらついた様子で流ノ介の
弁舌を遮る。

丈留「そんな必要はない。自分のことは自分で守る。お前達は今までどおりで
いい」
茉子「今までとは状況が違うでしょ」
千明「確かに。丈留がこっちの『切り札』ってことだもんな」
流ノ介「守らないわけにはいきません」
ことは「うちも頑張ります」

丈留「いいから…戦いの中で余計なことを考えるな」
流ノ介「いえ、この流ノ介、命にかえても…」

丈留「やめろっ!!」
竹刀が庭石に向って振り下ろされ、激しい音をたてた。

丈留「かえって足手まといだ」意外な丈留の反応に息をのむ侍たち。そのまま
丈留は素振りをはじめる。

 座敷では彦馬が、先代の鎧に向って

彦馬「ドウコクが気づいた、ここからが正念場。命をかけたこの一策、どうか
最後まで見守って」と祈るような視線をむけていた。そのとき隙間センサーが
鳴った。

 隙間センサーをたどっていった先は、何もない山の中だった。ウシロブシが
隙間センサーの鈴を揺らしている。わざとシンケンジャーを呼び出したのだ。

ウシロブシ「シンケンレッドというのはどれだ」
進み出る丈留。
ウシロブシ「恨みはないが、お前が『封印の文字』を使えるようになると困る
らしいんでな。お前にはここで死んでもらう」

 丈留をかばおうとする家臣たち。ところが丈留は無謀にも、ウシロブシに
単身向っていってしまう。どこか様子がへんだ。

 侍たちも続いて変身してレッドを追おうとするが、名無したちにはばまれ
て、ウシロブシとレッドに近寄ることができない。

 ウシロブシは必殺技「鬼刀二段斬り」をくりだし、まともにそれをうけた
レッドは追いつめられる。ウシロブシがトドメを刺そうとしたとき、イエロー
とブルーが身をもってレッドをかばった。

 変身解除され、倒れたことはと流ノ介を今度はレッドが身を投げ出してか
ばう。そこへピンクとグリーンが割って入るが、全員がウシロブシの刃にかけ
られようとしたとき、ウシロブシの刀をうけとめたのは、なんと不破十臓
(怪人態)だった。

 返す刀で、ピンクとグリーンを斬ってすて、変身を解除させた十臓は、
裏正でレッドに斬り掛かる。

ウシロブシ「お前!何しに来た!!」
十臓「このシンケンレッドは俺が闘う相手でな。悪いが、ここは手をひいて
もらう。もしできないというのであれば…」
ウシロブシ「あれば!」

 ウシロブシ、十臓、シンケンレッド、ついに三つ巴の戦いに。
激しい戦いだったが、互角の腕前である三者は結局、三すくみ状態になって
しまった。

 ちょうど水切れを起こしたウシロブシは、「ドウコクが怒るぜ」という
捨てゼリフを残して三途の川へ退く。

レッド「お前、どうして俺を?」
十臓「腕のある者と闘うことだけが望みだ。俺もこの『裏正』も。」

 レッド対十臓の戦いになり、レッドは右肩を打たれ、刀を取り落として
しまう。

十臓「やはり。お前いつもと違うな。俺が望んでいた戦いはこんなもの
ではない」

 裏正をレッドに突きつける十臓。十臓は裏正を逆刃にかえすと、レッド
が背にしていた岩を切り裂いた。まっぷたつになる岩。

十臓「この『裏正』逆刃こそが本性でな。次はこの斬れ味を味わってもらう。」

 十臓は人間態にもどり、崖の上にとびあがる。

十臓「シンケンレッド、この貸しは大きい。いずれ俺の満足する果たし合いを
してもらう。」

 茉子と千明は、ブルーとレッドの戦いに現れた謎の剣士が十臓であることに
気がつく。千明は外道衆なのか?と問いつめるが、十臓は、俺は不破十臓、
それだけだ、と言い残して姿を消した。

 倒れた流ノ介とことはに駆け寄る千明と茉子。変身を解いた丈留は、黙って
沼の水面を見つめている。

 志葉家の屋敷。黒子たちがことはと流ノ介を介抱している。ところが丈留は
誰も知らないうちに屋敷を出ていってしまう。丈留を探す彦馬の声だけが
響いて…

 シリーズ序盤の山場。「封印の文字」といういわば最終兵器の存在が敵にも
味方にも明らかになるとともに、丈留との果たし合いのためなら、外道衆と
闘うこともいとわぬ十臓の執念、丈留をかばおうとする家臣たちと、かたくなな
までにそれを拒否する丈留の孤独。
 『殿様』の意味とその重みが前後編で描かれる。緊張感に満ちた名作回である。

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