mixiユーザー(id:5456296)

2016年12月29日09:43

255 view

世界のためにやりましょう 

 下記は、2016.12.29 付の【産経抄】です。

                     記

 幕末に暗殺された坂本龍馬の子孫断絶を朝廷は惜しんだ。養子となった姉、千鶴の子、直(なお)には驚くべき言い伝えが残る。

 ▼父親の法要に、「龍馬を斬った男」とされる今井信郎(のぶお)を招いたというのだ。今井は殺される覚悟で出席する。ところが、直は歓待して語った。「過去のことは忘れてこれから新しい日本の為にともにやりませう、私はあなたにお目にかゝれてほんとうにうれしい」(『日本人の叡智』磯田道史(みちふみ)著)。

 ▼米ハワイの真珠湾にあるアリゾナ記念館は、75年前の日本軍による奇襲攻撃で沈んだ戦艦の上に建てられている。安倍晋三首相とオバマ大統領は慰霊の場を訪れ、攻撃で亡くなった人々に献花して、黙祷(もくとう)をささげた。首相はその後の演説で、かつて激しく戦った相手に米国民が示した「寛容の心」に感謝を示し、「和解の力」を強調した。

 ▼大統領は首相が「希望の同盟」と呼ぶ日米同盟について、さらにこう述べた。「新たな世界大戦を防ぎ、国際秩序の強化に貢献している」。両首脳は、「過去のことを忘れて」いるわけではない。それを乗り越えて、世界の発展のために「ともにやりましょう」と改めて誓い合った。

 ▼中国の空母の西太平洋進出について昨日のコラムで、トランプ新政権への牽制(けんせい)が目的、と書いた。むしろ、日米両国が確認した同盟の揺るぎなさに対する、いら立ちの表れかもしれない。中国外務省の報道官は、首相の真珠湾訪問を「パフォーマンス」と切り捨てた。

 ▼それに呼応するように、日本の市民団体も批判の声を上げる。「今さら米国との和解を演出しても、アジア侵略の事実は消せない」。日本の謝罪を奇貨として、さらなる歴史戦を仕掛けてくる国と、どのような和解が可能だというのか。

 http://www.sankei.com/column/news/161229/clm1612290002-n1.html
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する