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2016年12月14日09:01

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アリーの娘たちの物語。

「逃げ恥」みくり×平匡さんの“ベッドシーン”演出が「斬新」と話題
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=137&from=diary&id=4340386
このドラマについては、ネットにあまりにも過剰な賛美が溢れているし、活字メディアでも(あの週刊文春だったか?)作家だか、ドラマ評論家だかが、ガッキーがやっとつかみ取ったハマり役、などという、これもあまりにも過剰な的外れコメントがあって、いまの日本の批評言語の貧しさにやれやれ(村上春樹の小説の主人公のように)とため息をついてしまう。

確かにこの逃げ恥、面白いドラマだし、ガッキーは魅力的なのだが、同じTBSの金10、少しまえにやった中谷美紀の『私結婚できないんじゃなくしないんです』のときと同じ印象をもったのだ。これは(どちらも)アリー・マクビールの娘たちの物語ではないのか?と。

アリー・マクビールとはいまから20年まえ、アメリカでも日本でも大ヒットしたドラマ、『アリーmyラブ』のヒロインである、ハーバードのロースクール出身の弁護士、エリートであるし、稼いでもいる、仕事にもやりがいを感じている、しかし恋した男にはフラレてばかり、つまりアメリカ版高学歴女子寅さん(もちろんフーテンの寅)で、ただの弁護士ドラマにとどまらず、ただのラブコメにとどまらず、アメリカの社会問題にまでテーマにした(まるで水谷豊の『相棒』のように)笑える社会派ラブコメであったのだ。

といってもどちらもパクリと批判したいのではない。ガッキーは高学歴で妄想癖がある、しかもダンスなんてところはアリーそっくり(アリーでは妄想ミュージカルのシーンまであったが!)なのだが、そこまで脚本家が意識したかどうかはわからない。

パクリの問題ではなく、20年たってあのときのアメリカの女性たちが直面した問題にいま日本の女性たちは直面している、ということなのだ。保育園落ちた、日本死ね!に代表されるように、仕事をしろ、勉強もしろ、子育てもしろ、親の介護もお願い、という何重もの重荷を背負わせようとする国、女性力の活用がアベノミクスのひとつの柱です、と公言する首相、なのに高学歴女性を疎んじる社会、子育てから逃げ続ける男たち、そんないまの日本の脇腹を痛烈にパンチしているのが、このドラマなのだ。

ただのムズキュンで終わってしまっては、このドラマを見ていないに等しい。そんなことばかりに注目するメディアに煽られるのではなく、きちんとしたドラマ鑑賞法のスキルを磨いてほしい、ってもちろん私も1人でダンスの練習をしたりするのだが(笑)。


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